長野県議会 > 2006-03-07 >
平成18年 2月定例会本会議-03月07日-07号

  • "情報"(/)
ツイート シェア
  1. 長野県議会 2006-03-07
    平成18年 2月定例会本会議-03月07日-07号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成18年 2月定例会本会議-03月07日-07号平成18年 2月定例会本会議 平成18年3月7日(火曜日)  出席議員(58名)   1 番 村上 淳       27 番 小林伸陽   2 番 田口哲男       28 番 藤沢詮子   3 番 備前光正       29 番 鈴木 清   4 番 木内 均       30 番 西沢正隆   5 番 田中清一       31 番 保科俶教   6 番 清水 洋       32 番 小林宗生   7 番 林 奉文       33 番 小松 稔   8 番 北山早苗       34 番 佐藤友昭   9 番 宮川速雄       35 番 宮澤敏文   10 番 小林利一       36 番 牛山好子   11 番 小原 勇       37 番 佐野功武   12 番 永井一雄       38 番 本郷一彦   13 番 毛利栄子       39 番 村石正郎   14 番 今井正子       40 番 木下茂人   15 番 丸山賢二       41 番 向山公人   16 番 清沢英男       42 番 望月雄内   17 番 清水保幸       43 番 下村 恭
      18 番 柳平千代一      44 番 塚田 一   19 番 宮本衡司       45 番 高橋 宏   20 番 髙見澤敏光      46 番 平野成基   21 番 小池 清       47 番 倉田竜彦   22 番 高木蘭子       48 番 宮澤宗弘   23 番 小松千万蔵      49 番 森田恒雄   24 番 柳田清二       50 番 島田基正   25 番 竹内久幸       51 番 石坂千穂   26 番 高村京子       52 番 服部宏昭   53 番 寺島義幸       56 番 古田芙士   54 番 下﨑 保       57 番 小林 実   55 番 萩原 清       58 番 石田治一郎         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        田中康夫    商工部信州ブラ                     ンド・観光戦略   副知事       澤田祐介    局長        武田雅宏   出納長       青山篤司    副出納長兼会計局長 牧野内生義   経営戦略局長    松林憲治    公営企業管理者   古林弘充   総務部長兼参事   (人事評価制度    担当)      原 修二    企業局長      峯山 強                     財政改革チーム   社会部長      田中 透    リーダー      関 昇一郎                     教育委員会委員   衛生部長      髙山一郎    長         松田泰俊   生活環境部長    木曽 茂    教育長       丸山 愰   商工部長      山極一雄    教育次長      松澤睦司   農政部長      田山重晴    教育次長      米澤修一   林務部長      高野弌夫    警察本部長     渡辺 巧   土木部長      原 悟志    警務部長      河野 真   住宅部長      塚田和雄    監査委員      丸山勝司   危機管理室長    鎌田泰太郎   企画局長      太田 寛         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      金井範夫    総務課企画員    塚田邦彦   議事課長      飛沢文人    議事課主査     木下哲夫   議事課課長補佐   高橋和成         ───────────────────  平成18年3月7日(火曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時1分開議 ○議長(萩原清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(萩原清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、田中清一議員。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)おはようございます。通告に従いまして順次質問をさせていただきます。  最初に、2007年問題についてお伺いをいたします。  我が国の労働力、2000年の国勢調査によりますと、1947年から1949年に生まれたいわゆる団塊の世代の人々は約690万人、就業者数539万人、他の世代より2割から5割多く、全人口の5.4%、全就業者8.6%を占めていると言われております。現在、8割強の企業が一律60歳定年制をとっておりますので、団塊の世代がこの年齢を迎える2007年になると大量の定年退職者が発生し、社会にさまざまな影響を与えると危惧されております。  100万人を超える新規雇用が生まれ、企業をめぐるさまざまな環境の若返りが進み、新陳代謝を通じて労働コストの低減がされる。地域社会においては、職業経験豊かな優秀な人材の地域活動への参画が見込まれるというメリットが期待される一方で、企業やあらゆる組織においては技術や経験の十分な伝承が行われないため技術の空洞化や提供されるサービスの質の低下、地域におきましては福祉コストの増加、年金支給金額の増大等、デメリットも指摘されております。  今後、人口減少が確実な中で、2007年問題をどのように乗り切るかが、企業のみならず、あらゆる組織の活力の維持と向上にとって大変重要な課題だと認識をしております。  長野県におきましても、教職員、警察官を含めた今後の定年者数の推移は、平成18年度480名、平成19年度654名、平成20年度680名、以降約680名前後でしばらく高どまりをするといった状況にあります。退職手当につきましても、平成17年度150億円に対しまして、平成19年度からは毎年約90億円増の240億円前後の手だてが必要であり、財政悪化の大きな一因ともなっております。  また、現在の職員の年代別構成は、50代が33.1%、40代33.8%、30代27.3%と比較的50代から30代におきましては均衡がとれておりますが、20代は5.8%と極端に構成比が低く、とりわけ20代の若手技術者の減少が目立ちます。農政、林務、土木、住宅関係で比較的技術者の構成比の多い40代と20代を比較してみますと、農政部、40代38.8%に対しまして20代が2.7%、林務部、40代が38.8%に対して20代4.6%、土木部、40代29.1%に対して20代2.3%、25歳以下の土木部における技術者はいないということであります。住宅部におきましては、40代23.7%に対して20代4.1%であります。  これは、平成15年度に策定しました財政改革推進プログラムをベースに、公共投資が抑制されたことと、自然減と採用抑制で平成15年度から18年にかけて500人の人員削減を行った結果生じたものであります。喫緊に深刻な状態にならないまでも、こうした状況を放置しておいてはやがて中長期的にはそのツケが必ず次世代に回ってくるものと思います。  継ぎ目のない県政運営を行う上で、団塊の世代前後の職員の技能、経験を中堅、若手の職員にどう伝承していくのか。また、人材登用、採用にどのような工夫を凝らして年代別のアンバランスを改善していくのか。松林戦略局長にお伺いをいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)2007年問題についてお答えいたします。  職員の技能や知識の伝承に関しましては、まず、日々の日常の業務の中でシマ意識を変えまして、まさにチーム制の中でやっていくということ、それからまた、上司、部下の別なく、お互いに困っているときには助け合う、そういった気持ちが大切であるというふうに考えているところでございます。  そして、転勤に際しましても、自分の後任に気遣ったり、また前任者や周囲にも遠慮なく聞くといった、こういう日々の実践の活動の中で、議員おっしゃられた技能やそれから知識、こういったものが培われていくと、このように考えているところでございます。  それから、20代の若手職員が少ないということに関しましては、現在、この20代の若手職員については、47都道府県の職員構成を比較いたしますと、この占める割合、これは長野県はほぼ全国平均並みと、こういうふうになっているところでございます。  県としましては、新規採用のほかに、現在、社会人枠の採用でありますとか任期付の職員の採用といった形でまさに必要な人材を採用、確保しているわけでございまして、20歳代が少ないというような発想はいわば年功序列型の発想であるというふうに考えるところでございます。  いずれにしましても、長野県においては必要な人材を確保しているということでございます。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)継ぎ目のない県政運営を目指すにおきましては、当然のことながら、年代別の構成といいますか、バランスがいい方がいいに決まっているということだと思います。  2007年問題を危惧するまでもなく、代表質問で宮澤議員も指摘しましたように、頻繁に繰り返される組織改正や人事異動で、組織力が低下、空洞化が既に進み、職員の意欲が低下していると指摘されております。行政の仕事は組織的に行われているものの、個々の職務においては個人の能力に頼るところが多いかと思います。人が職務に精通するにはやはり一定期間の経験が必要であります。人対人、多様な県民ニーズ、価値観に対応していくには、1足す1は2といった明確な答えやマニュアルは存在せず、高い志と明確なミッション、経験を積む中で個人の能力が高められ、知事の言うところの勘どころの鋭い人材が育っていくのではないでしょうか。  フラットな、部局横断的な、また水平補完の組織とはいうものの、意思決定は唐突で一方通行、風通しが悪く、まさに人件費は最大の事業費だという有能な職員の能力が生かし切れていないのではないでしょうか。先月発表されました県政世論調査で、9割を超える県民が知事と職員の間に信頼関係は築かれないと思い、間もなく発表されるという職員のアンケートでも9割が知事を支持していない結果が出ていると聞いております。  さまざまな人が知事を評価するとき、知事の組織マネジメントコミュニケーション能力に対する評価は一様に厳しいものが多いわけであります。こうした評価を知事はどうお考えか。また、知事のリーダーシップとは、知事のリーダー論というものはどのようなものか。御所見をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)何を基準にして考えるかということが常に大切なことだと思うんですね。私どもの県は、他の県に類を見ない、41年6カ月という間、県の職員から総務部長あるいは副知事を経て知事になった者が県政を行ってまいりました。他の都道府県は、仮にいかなる保守県政あるいは革新県政であろうとも、基本的に知事というものは外からやってくるものなんですね、国会議員であったり、経営者であったり、学者であったり、あるいは市町村長であったり。  私は、基本的に、けさも出納長の青山篤司とも話したんですが、まさに適材適所ということ、そして、まさに少子社会、高齢社会の中で、大きく価値観の変化なのではなくて、私たちが目指すべき社会のあり方、あるいはそのために行うべきこと、その中での発想と行動が大きく大転換しているということです。  私が常に思いますのは、例えば60年以前に私たちの国は、いわゆる軍部の官僚もあるいは外交官も、そうした責任というものがあいまいな中で、無責任の体系という中で、私どもの国は大きな不幸のどん底に落ちていったわけでございます。ですから、とりわけ官僚の組織というもの、これはやはり責任をいかに明確にするかということが大事だと思います。  私は、就任直後から、バイネームで仕事をしようということを申してまいりました。すなわち、霞が関の書類も名字しか書いてございません。そうしますと、田中や小林はたくさんいますから、責任の所在が明確でないんですね。私はフルネームで書こうと。そして、そこには課長とか担当者という別なく、2名の名前は同列に書くと。そして、すべての会合の場で、必ず、自分は例えば障害福祉課長を務めておりますヤマダタロウですという言い方をしようと。それは、その肩書は自分の名誉のためではなくて、その肩書に伴って多くの権限が付与されます。でも、その権限は、知事と職員、あるいは知事と職員と議会というもののために心地よいものではなくて、また思い上がることなく謙虚に県民が常に幸せを感じられるようなことに還元しようということです。  ですから、私がホウレンソウと言っていることも、実は、どんなにか私が、あるいは三役がさまざまなチェックをしても、それぞれの担当者には裁量権があります。これは一係員とて裁量権があります。でも、その裁量権の中で、これは今県政の大きな問題なのだ、あるいはこれは単に責任回避ではなくて、だれの段階まで相談しよう、報告しよう、連絡しようということ、これはマニュアルではなくて、日々の仕事の中で、失敗しながらも、どの段階まで常にホウレンソウをしていくのか。連帯責任という責任逃れではなくて、明確に自分にも責任がある中で、チームワークとしてどのようにしていくかということだと思います。  これは、どんな組織でも、やはりその組織というものを活性化すると同時に、その暴走を防ぐということが私はとても大事なことだと思うんですね。それが私が述べているバイネームということであります。ですから、私は、県民と職員と私が常によい形での三角形を、これはなれ合いの三角形ではなく、つくれるような形を目指そうということです。  ですから、こうした中で、職員は以前にも増してさまざまなことを発議できます、提言できます。そして、それをバイネームでまさにホウレンソウしながら行うということです。ただ、その形が、やはり知事というものと職員と県民が、常に私は県民と直接民主主義の手法をとりながらも、その中において職員も職員である前に一県民として考え行動しようと述べております。このことが、今までのなじんだ社会を懐かしく思う方からするといまだ戸惑いがあられようかと思います。しかし、私はそうではない形というものをつくるために今までも努力させていただいておりますし、それが私のある意味ではリーダー論でございます。そして、その中で、まさに総合愛情産業として職員も県民と近づくということ、そのことに誇りを持ってくださっている職員は確実にふえていると、私はこのように思っております。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)お話している内容についてはうなずける部分もあるわけですが、その一方で、もう一つのさまざまな評価がある中で、そういった評価についても謙虚に耳を傾けていただきたいというふうに思います。  地方分権、地域主権が進み、自己決定、自己責任、自主、自立の地方自治が求められています。最近、農業振興の話が話題になっていますが、都市間競争はますます激しさを増してくると予想します。県は、県民の安心、安全、快適で活力ある地域を創造する県民の最大シンクタンクであり、技術集団であり、奉仕者でなければならないと考えます。今、そのトップとしての知事の力量、リーダーシップが問われていることだというふうに思います。  次に、警察本部長にお伺いします。  県警におきましても、今後、団塊の世代の退職を機に、年代別構成比の高い50代の大量退職は避けられないことで、人員の若返りがますます進むことと思います。このような状況下におきまして、犯罪の若年化、凶悪化、複雑化、広域化に対応して、県民の生命、財産を守り、安全で安心な暮らしを確保していくためには、若手警察官の実務能力の養成、警察官個々レベルアップ等を図るとともに、ベテラン警察官の専門的かつ、豊かな経験に基づき裏づけされた捜査方法、技能を中堅、若手世代に十分に伝承される仕組みづくりが早期に必要かというふうに思います。  昨年9月議会におきまして、本部長に、県警が策定した地域警察強化のための総合プランについてお伺いしましたところ、若手警察官の育成等の諸施策を進めていくとの御答弁でありました。  そこで、県警として、地域警察における対応も含めまして、大量退職時代にどのように対応していくのか。具体的な対応策についてお伺いをいたします。       〔警察本部長渡辺巧君登壇〕 ◎警察本部長(渡辺巧 君)お答えいたします。  議員御指摘のとおり、本県警察におきましても、平成19年度から10年ぐらいにわたりまして毎年100名を超える警察官が定年により退職する大量退職時代が到来いたします。これによりまして、10年間に組織の3割以上の者が入れかわることとなり、治安情勢の悪化など、警察を取り巻くさまざまな環境が悪化する中で、豊富な経験を有するベテラン警察官が大量に退職することにより現場第一線における執行力の低下が非常に懸念されるところであります。  こうした問題点を克服し、組織力の維持向上を図り、県民の安全と安心を確保していくために、ベテラン警察官が長年の経験の中で培ってきた捜査手法などの技能を組織の財産として確実に引き継ぐとともに、毎年100名以上採用する経験未熟な若手警察官早期戦力化を図るなど、現場第一線の執行力を強化するための施策を組織的に推進していくことが極めて重要であると考えております。  昨年は、組織の35%を占め、県民の最も身近な場で活動しております地域警察を強化するため、地域警察官個々レベルアップ、チームとしての交番の機能強化、若手警察官の実務能力の養成を柱とした地域警察を強化するための総合プランを策定し、組織的な取り組みを図ってきているところであります。  具体的には、民間の手法に学び、今までの実績評価方式を見直した上、評価を人事面や給与面などに反映させる仕組みに改め、地域警察官個々の勤務意欲や士気の向上を図りました。また、交番所長に対して、交番の責任者としての役割を明確化いたしました。  さらには、議会や知事の御理解と御支援を賜り、今議会で御審議をいただいております全交番への退職警察官による交番相談員の配置などによりまして交番の機能強化を図っていくこととしております。  また、若手警察官の養成につきましては、学校教養制度の見直しを行いまして、学校教養において基本的な実務を習得させた上、引き続き第一線の現場においてみずから体験させながら実践的な教養を行うなど、学校と職場での教養を連動させた教養を繰り返し行うことによって早期に実務能力の養成を図ることとしております。
     また、平成18年度組織改正におきまして、警察本部に新たに教養課を設置し、学校教養に加え、職場における実践的な教養と柔剣道などの実科訓練を促進させるための指導の強化を図っていくこととしております。  知識、技能の伝承につきましては、現在でもすぐれた職務質問等の技能を有するベテラン警察官技能指導官に指定いたしまして、若手警察官への同行指導や退職警察官による伝承教養を実施しておりますが、今後、交番相談員が有する知識、技能を若手警察官へ伝承するなど、制度のさらなる拡充を図り、捜査手法を初めとしたさまざまなノウハウを組織として確実に継承していくこととしております。  警察官の採用に当たりましては、県民の期待にこたえる資質を有する優秀な人材の確保に努めるとともに、個人の能力、意欲に配意した適正な人事配置、装備資機材の充実、再任用等による退職警察官の有効活用など、あらゆる観点から組織力の維持向上を図り、困難な時代を乗り切ってまいりたいと考えております。  なお、退職警察官行政嘱託等により活用することは、警察官としての豊富な知識、技能、経験を組織として継承する上でも、またコストの観点からも、非常に有効な方法であると考えております。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)平成18年度予算見直しで、平成15年度からスタートいたしましたコモンズ新産業創出事業が一定の成果が得られたと廃止をされました。どのような総括の上、廃止に至ったのか。商工部長にお伺いいたします。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)お答えいたします。  コモンズ新産業創出事業についてのお尋ねでございます。県におきましては、コミュニティービジネスの草創期におけるモデル的な事例支援等を目的に、御指摘のとおり、平成15年度からコモンズ新産業創出事業として支援をしてまいりました。この3年間の応募総数は189件、うち採択数は33事業、5億1,044万8,000円の助成を行い、不採択分を含め、多くのコミュニティービジネスの創出に至っております。  こうしたことから、限られたモデル的なケースを支援し普及を図るという段階から、数多くのケースを幅広く総合的に支援していく段階に至ったと考え、コモンズ新産業創出事業を今年度で廃止することといたしました。  平成18年度は、県内10カ所に設置した身近な相談窓口であるチャレンジ起業相談室の支援機能を強化するほか、若者向けに1.5%という今までにない低金利の融資制度を創設し、資金調達を支援いたします。加えまして、バトラーサービスながの産業支援ネットによるきめ細やかな支援を行うことによりましてコミュニティービジネスの創出を促進してまいります。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)前段の2007年問題、団塊の世代の大量退職において期待される効果に、地域社会においては職業経験豊かな優秀な人材の地域活動への参画が見込まれると指摘をさせていただきました。まさにこの事業の趣旨であります地域課題の解決や地域活性化を図るため、期待される世代が今後大量に出現するわけであります。むしろ、これからがタイムリーな事業へと発展する可能性を秘めていると考えます。  今年度新設されました信州ものづくりスキルアップ事業5,681万も、やはりこうした団塊の世代を中心とした長年培った技術、技能を講師人材として発掘し、県内企業の技術アップを図ることをねらいとしたものと認識をしております。いわゆる団塊の世代の方々を社会の中でサービスを受ける側に回らせるのか、それとも生産側に参画してもらうのか、それは地域の活力にとって大きな違いだと思います。NPO、コミュニティービジネス社会起業家として地域の課題へと誘発する仕組みづくり、支援施策が必要かと思います。商工部長の御所見をお伺いをいたします。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)お答えいたします。  団塊の世代のスキルを社会資源として活用するための支援策ということかと思います。ベテランの技能者、技術者が退職されることによる技能、技術の継承につきましては、既に各企業におきましてさまざまな形で取り組んでおられるところでございます。しかしながら、こういった社内に必要とする技術、技能の指導者がいない、あるいは必要なレベルに達していないというような場合には、自社内でこの技術、技能を育てていくことが大変難しいものになっているわけでございます。  そこで、本県におきましては、全国に先駆けて、平成18年度におきましては、御協力いただける企業からベテラン技能、技術者を発掘し、不足している技能、技術を高めたいと望む中小企業の皆様方へ紹介するなどの業務を行うマッチングコーディネーターを新たに配置し、さまざまな活躍の機会を設けてまいります。  具体的には、指導を希望する中小企業へは、発掘をいたしましたベテラン技能、技術者の方々を紹介します。また、今年度から実施しております信州ものづくりスキルアップ事業のセミナーの講師もあわせて務めていただきます。また、中小企業振興公社で運用をいたしております専門家派遣事業、あるいは技術アドバイザー派遣事業、これの指導者としてもできるだけ多く登録していただきまして、指導を希望する中小企業へも派遣をいたしたいというふうに考えております。  なお、工科短期大学校あるいは技術専門校における常設訓練課程におきまして、専門性の高いカリキュラムの外部講師として御活躍いただくことも考えております。  いずれにいたしましても、この2007年問題は県の産業界にとりましても大変重要な課題でございます。このようなベテラン技術、技能者の方々に地域貢献あるいは社会貢献していただけるような仕組みを積極的に進めていきたいというふうに考えております。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)次に、小規模事業者支援についてお伺いをいたします。  三位一体の改革に関連しまして、経済産業省は、削減した59億円のうち平成18年度商工会等の団体に交付している小規模事業支援補助金として要求していた46億円を、全国知事会の要望を尊重して、全額廃止をいたしました。したがって、国の直接補助金はなくなったわけであります。  経済産業省は、46億円を全額廃止した理由として、全国の知事会が小規模事業支援補助金については各都道府県で責任を持って対応すると説明したことを挙げております。経済産業省は、この理由を受けて、補助金等の削減に基づき決断をしたわけであります。  県単扱いとなりました小規模事業支援補助金ですが、平成18年度予算におきましてどのように反映されたのか。また、今後も、税源移譲等交付税化に基づき、小規模事業者のために予算を確保するとともに、関係団体と十分協議の上、県単として裁量権が広まった分より効果的な事業に予算づけしていくべきと考えますが、商工部長の御見解をお伺いいたします。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)お答えします。  小規模事業経営支援補助金についてでございます。県では、本県事業者の約8割を占める小規模事業者の経営基盤の充実を図るため、支援機関の中核である商工会、商工会議所が行う経営改善普及事業等に対し、改革を進めつつ、補助金を交付しているところでございます。商工会、商工会議所の人件費等は既に平成7年度から一般財源化されておりまして、今回の三位一体の改革に伴う税源移譲は事務局長設置費や経営指導員の資質向上を図るための研修に係る経費等が対象となっておるところでございます。  今回、税源移譲となる事業は商工会等への補助額全体の15%程度でございますが、いずれも小規模事業者の経営基盤の充実を図るためには不可欠なものでございます。したがいまして、商工団体のニーズを踏まえて、小規模事業者の活動に支障のないように措置したところでございます。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)中小企業、小規模事業者へ商工部が行っておりますバトラーサービスについてでありますが、よろず承りの精神で、現場主義を重視し、具体的に目に見える成果を上げていこうとする姿勢は大いに賛同するところでありますが、一方、商工業経営に関する専門的な支援指導活動に際しては、国の中小企業施策、会計、税務、金融、マーケティング、労務、業界情報等、多面的な専門知識が必要であります。バトラー業務に携わる職員は数年で各部署を異動する事務部門の職員が多く、実効ある支援活動がどこまでできるのか。また、職員数が年々減少する中で職員の負担が増しております。日常業務に加え、過重な業務となっていることを危惧いたします。  そして、県内には9万8,000ほどの膨大な数の小規模事業者があるわけですが、公平性を求められる職員が、さまざまな課題を抱えている特定の民間企業に対してどこまで深く入り込めるのか、また踏み込んでよいのか、いろいろと議論のあるところだと思っております。これまで、中小企業等の支援指導活動は、県の試験研究機関職員、中小企業振興公社、テクノ財団、商工会議所、商工会等の支援機関、中小企業診断士等の専門支援機関が、きめ細かく、まさにフェース・ツー・フェースで実績を積み重ねてきているところであります。  また、今回、35の公的機関で組織するながの産業支援ネットが、これまでの政府系金融機関に加えて、民間金融機関との協定を結びました。民間金融機関が持つ幅広いネットワークを生かして中小企業の経営力を底上げし、県内経済の活性化につなげていくことと大いに期待しているところであります。  県としましては、県しかできない役割として、この産業支援ネットの連携強化、個々の機関の専門的支援活動のスキルアップを図ることを施策の中心に講じていくことが、より実効性のある小規模事業者に対しての支援活動となるのではないでしょうか。商工部長の御見解をお伺いいたします。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)お答えします。  バトラーサービスについてのお尋ねでございます。企業はさまざまな課題を抱えております。こういった企業に対する支援は、特定の目的を持った一つの支援機関がカバーするということは大変難しいというふうに考えております。この困難性を克服する一つの有効な支援方法がバトラーサービスというふうに考えておるわけでございます。  このながの産業支援ネットは、中小企業振興公社を中心に、議員から御指摘のようにそれぞれの強みを持つ公的支援機関に加えて、最近、民間の金融機関も入りまして、53の専門機関が相互に情報を共有しながら密接に連携して支援を行っているところでございます。  バトラーは、よろず承りの精神で現場に出向き、企業の生の声をお聞きしながら、自身の持つノウハウのみならず、より相談内容にマッチするように他の支援機関の専門性を活用して支援をしているところでございます。  県におきましては、ながの産業支援ネットバトラーサービスをすみ分けをするということではなくて、企業の課題解決に向けてともに行動するということでお互いのスキルアップが図られ、相談者にもよりよいサービスを提供することができるものというふうに考えておるところでございます。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)次に、高校改革プランについてお伺いをいたします。  昨日、西沢議員の質問の中で、第1推進委員会の報告書の中におきまして、長野南高校、松代高校の統合につきましては、その再編整備に向けては長野市南部の人口の動向や募集の状況からすぐにも再編統合が必要な状況にはないと判断できると第1推進委員会の報告書にはそういう旨を書かれております。その中で、西沢議員は、こうした報告を受けて19年度一斉にスタートということでなく、こういうことも盛り込まれる状況があるのかとお話したときに、検討した結果、19年度から一斉スタートするということに判断を下したというお話がありました。  どのような検討をされた中でそのような、いわゆる第1推進委員会の要望に反したといいますか、意向と違う結論をこの段階で出されたというのか。松田教育委員長にお伺いいたします。       〔教育委員会委員長松田泰俊君登壇〕 ◎教育委員会委員長(松田泰俊 君)お答えいたします。  長野南高校と松代高校の統合についてのお尋ねでございますが、教育委員会といたしましては、推進委員会からの報告書は推進委員会の意思として最大限尊重させていただきますが、最終的には教育委員会が責任を持って実施計画を策定するという考えに立っております。そのような考え方に立ち、長野南高校と松代高校との統合に限らず、県全体の再編整備につきましては平成19年度より行ってまいりたいと考えているところでございます。  来るべき少子社会を見据え、未来の高校生が充実した高校生活を送り、豊かな将来を築くことができるよう、一日も早く学習環境を整えていくことが教育委員会の責務であると考えております。  なお、昨日、教育長から高木議員にお答えしましたとおり、実施計画の詳細な内容につきましては今後開催される教育委員会において決定してまいりたいと考えております。  以上です。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)今の御答弁に納得はしてないわけですが、時間もありますので、また文教委員会の方で議論をいただくということで。  非常にかたくなに19年度から一斉スタートということなんですが、どうしてスケジュールありきで拙速に進めるのかという多くの県民の声がある中で、常に教育委員会の方の御答弁は、人口減少の中で、これまで学級数の減で対応してきたが限界に来ている、子供たちによりよい学習環境、学校環境を与えるために急ぐのだという話だと思いますが、人口減少の予測というのは随分前からできていたわけであります。学校関係者、地域の皆さんたちと協議をする十分な時間を与えられる改革を行ってこれなかったのは、議会を初め行政、我々のある意味では怠慢であったということなわけですね。その怠慢という部分の反省に立った中で、そのツケをやはり子供たちに押しつけてはいけないんではないかと。  やはり、10年も20年も先に議論しろということではなく、やはり行ってこなかったというその責任の中に立って、やはり一番、特に痛みや負担や不安を持つ、ことし入学した子であるとか、そういった子たちの疑問の声にこたえていく責任が、県教委、我々にあるんだろうと思います。改めて、やはりそういった時間を十分に確保した中で、実施計画、あるいは改革を進めていくという立場に立つべきだと思いますが、今度は教育長の御見解を確認します。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  県民と関係者と議論する十分な時間と場所を確保すべきではないかとのお尋ねでございますが、学校関係者や県民の皆さんに対する説明等につきましては、これまでも地域からの要望に応じて27会場に出向いて高校改革について御意見を伺ってまいりました。また、推進委員会から検討結果についての御報告をいただいてからも、県内8会場で説明会を開催し、報告書の説明をするとともに、多くの御意見をお聞きしてまいりました。  今は、まさに推進委員会からの報告書を考慮するとともに、説明会等でいただいた御意見などを参考にして、3月末までに実施計画を策定する段階に至っております。実施計画策定後は、地域の皆様や中高生並びに保護者の皆様に十分御説明するとともに、御意見をお聞きしながら、より充実した教育内容にしてまいりたいと考えているところでございます。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)推進委員会の報告書が出たのはまだ1カ月程度なんですよね。推進委員会は公開で行われたといえ、傍聴はできたものの、推進委員会の皆さんたちと県民や当事者が議論する場というのはほとんど与えられていないわけであります。教育長、教育委員会として説明責任、説明は十分果たしたという認識でありましょうか。お答えをお願いします。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  県はこの改革の説明責任を果たしたと考えるのかとのお尋ねでございますが、これまでも、広く県民の皆様に御理解をいただくために、高校改革プランに関して、説明会の開催など、それぞれの場面において段階を追って県民の皆様に説明を申し上げてきたところであります。このような過程の中で、生徒数の減少に対して学級減による対応では限界に来ており、さらなる少子化の進行の中で高校改革の必要性については一定の御理解をいただいているものと考えております。       〔5番田中清一君登壇〕 ◆5番(田中清一 君)県民は、県民の声を教育委員会に聞いていただいたというふうには思ってはおりません。  最後に、知事にお伺いいたします。  3月に実施決定ということで詰まってきたわけですが、これまでのいろいろ一連の流れも知事からもコメントいただきました。この一連の内容、経過というものが今度の知事選にも大きな焦点となろうと思いますが、これまでの一連の流れについてどのような御見解をお持ちかお伺いをしまして、私の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)いわゆる高校改革に関しましては、平成15年の4月に教育委員会内に既にワーキンググループが設置されたというふうに報告を聞いております。16年の1月には高校改革プランの検討委員会が設置をされているわけでして、足かけ3年の期間をかけて教育委員会が議論をし、またその中で県民の声も聞いているわけでございます。  今、教育委員長からのお話もありましたように、このように進めてきた中での高校改革プランの検討、またその内容というものは教育委員会がまさに自律的に行い、その内容に関しては私もまた妥当なものであるというふうに考えております。 ○議長(萩原清 君)次に、小池清議員。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)自由民主党県議団の小池でございます。それでは、まず最初に子供の安全総合対策について伺います。  近年、子供の登下校時をねらった犯罪や学習塾内での犯行など、子供の日常生活を取り巻く環境は多様な危険にさらされて深刻な状況にあります。昨年11月には広島県、12月には栃木県で、小学1年生の女子児童が犯罪に巻き込まれ命を落とすという痛ましい事件が相次いで発生しています。さらに、京都では、小学6年生の女子児童が通う塾で講師に命を奪われるという事件も発生しています。  平成16年度の犯罪統計によれば、未遂を含め、13歳未満の子供が被害に遭った件数は、殺人件数111件、強姦事件74件、強制わいせつ事件1,679件にも達し、子供をめぐる犯罪は極めて異常かつ憂慮すべき状況にあります。子供を持つ親の悲しみや心に受けた傷の深さを思うとき、このような犯罪を二度と起こさないための取り組みが急務と言えます。  長野県においても、凶悪犯に移行するおそれのある子供を被害者とする犯罪が219件発生し、また、子供に対する声かけやつきまとい等の事案が対前年比で25%増加し、308件と報告されました。  子供が被害者となる痛ましい事件は、何よりも発生そのものを防止し、安心して生活のできる地域をつくることが県民の願いでありますので、あらゆる施策を講じ、県民の不安解消に取り組んでいただきたいと思います。  本年の県警察の運営方針は、県民の期待にこたえる力強い警察と定め、犯罪の抑止と検挙、交通死亡事故防止、大規模災害などに関する対策を推進するとともに、新しく1項目を加え、地域社会と手を携え、少年、高齢者、女性等の安全、安心を確保する諸対策をさらに力強く推進するとされています。  そこで、子供の安全対策について、教育委員会、学校、自治体、関係機関・団体、地域住民、ボランティア等と連携し、具体的などのような取り組みを行っているか。県警本部長に伺います。  また、この点について教育委員会の取り組みを教育長に伺います。       〔警察本部長渡辺巧君登壇〕 ◎警察本部長(渡辺巧 君)お答えいたします。  子供の安全対策の推進に当たりましては、教育委員会、学校、自治体、関係機関・団体、地域住民、ボランティアなど、子供の安全に関するすべての皆さんと連携しながら、ソフト、ハードの両面についてあらゆる対策を講じて、子供が被害者となる凶悪な事件の絶無を期してまいります。  子供を対象としました事案の発生状況は、凶悪犯に移行するおそれのある刑法犯は、本年1月末で、1カ月間でありますが、11件、対前年度比マイナス9件、声かけ等の事案は2月末で、1月、2月合計でありますが、47件、対前年比マイナス3件発生しております。状況は依然として厳しい状況が続いております。  県警では、昨年12月、県教育委員会と子供安全対策のための緊急会議を開催したほか、警察本部に子ども安全総合対策室を設置して具体的な安全対策に取り組んでいるところであり、私も、あるいは警察署長は、市町村長や市町村教育委員会、校長会など関係する皆さんのところへ直接出向いて話し合いを進めてまいりました。  警察としまして、登下校時の警戒のほか、パトロール活動に必要な情報や活動メニューの提供、防犯教室の開催、不審者侵入対応訓練、防犯機器等のハード面の整備、防犯指導など、対策を進めておるところであります。  具体的に申し上げますと、まずボランティア活動でありますが、登下校時における警戒活動として、平成17年末現在、わんわんパトロール隊やウオーキングパトロール隊などの見守り活動に御尽力いただいているボランティア団体は214団体で、前年と比較しまして192団体と飛躍的に増加しております。また、青色回転灯を装着した車両、これは平成16年12月から運用開始でございますが、による防犯パトロールは、本年2月末現在、53団体、248台となっております。子供の保護や不審者通報協力をいただくため、通学路などの住宅、商店等をこどもを守る安心の家に、民間企業などが保有する車両をこども110ばんの車に委嘱して協力をいただいております。  子供が犯罪や交通事故の被害に遭わないよう実施しております防犯教室は昨年は1,754回、不審者侵入対応訓練は546回開催しております。さらに、ハード面につきましては、関係する自治体の支援が必要なことから、自治体に赴きまして学校や通学路等における防犯灯などの防犯機器の設置について整備をお願いしておるところであります。  また、今年春には県下の主要警察署に防犯指導の専従員を新規に配置して、緊急の課題である子供安全対策を初め、地域の住民が犯罪の被害に遭わないために、この場所でこの犯罪を抑止するためには何をどうしたらよいのかという観点から、犯罪発生現場における防犯診断や防犯指導を通して個別具体的な防犯施策を推進するなど、地域における防犯施策のプランナーとして、市町村、町会、地域住民等と連携しつつ、業務を進めてまいります。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  子供の安全対策の取り組みについてのお尋ねでございますが、議員御指摘のとおり、昨年11月22日、12月1日に広島、栃木両県で児童が下校途中に殺害されるという痛ましい事故が相次いで発生いたしました。これを受け、県、県教育委員会及び県警察本部では昨年12月14日に子供の安全対策のための緊急会議を開催し、その日の午後から登下校時に教職員や警察官がすべての小中学校の校門や通学路でパトロールを行ってまいりました。さらに、通学時の見守り活動などは、地域社会全体で子供の安全に取り組む体制の整備を促すため、緊急安全キャラバンを実施いたしました。その結果、618校の県内すべての小中、自律学校で、家庭や地域と連携した登下校時の安全確保対策や通学路の安全点検の実施、安全マップの作成など、子供の安全を守る取り組みが行われております。  例えば、南信地域のある小中学校では、地域の関係団体の協力を得て安全ひまわり隊を結成し、通学路のパトロールや声かけ運動を実施するなど、従来の教職員やPTA中心の活動からボランティア等の参加による地域ぐるみでの活動へと取り組みが広がってきております。今後は、地域ぐるみで子供を守る輪をさらに広げるため、学校関係者等を対象とした研修会の開催や先進的な優良事例の紹介を行い、安全対策の全体的なレベルアップを図ってまいります。  さらに、各学校の取り組み状況を県警察本部等関係機関とともに随時把握し、各学校や地域の実情に応じた個別具体的な支援を行うとともに、実践的な事例の研修会を実施し、児童生徒の安全対策の向上に努めてまいりたいと考えております。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)こうした中、長野県警察本部では、昨年12月の19日、子ども安全総合対策室を発足させているわけでございますが、その中で、不審者情報を電子メールで配信して犯罪の最新情報を県民が共有できるようにする、また、県内の全小中学校、自律学校ごとに安全対策をまとめる学校安心カルテの作成を行うとしておりますが、これらの対策の実施状況を県警本部長に伺いたいと思います。       〔警察本部長渡辺巧君登壇〕 ◎警察本部長(渡辺巧 君)お答えします。  不審者情報を県民の皆さんが共有できるように、これまで、既存のファクスを利用した情報提供や防犯速報、交番だより、有線放送など、それぞれの地域の実情に応じた広報媒体を活用して、声かけ事案、変質者、その他不審者の出没など、子供に対する犯罪の前兆と思われる不審者情報を提供してまいりました。昨年12月からは、情報を一元化して、タイムリーに提供し、情報の共有化を図って被害を防止するため、長野県と県警のホームページに窓口を開設し、最新の不審者情報を提供しております。運用開始以来、現在まで129件を登載し、本年2月末現在で約2万件のアクセスをいただいております。
     今後は、現在のアクセス型に加えまして、教育委員会、学校初め関係者の皆さんに自動的に情報が伝達できる配信システムを早急に構築することとしております。既に伊那市、塩尻市、松本市、長野市におきましては到達型でのシステムの整備を開始あるいは運用していただいているところでございまして、深く感謝を申し上げる次第であります。  また、県内のいわゆる学校安心カルテの関係でございますが、県内のすべての小学校、中学校、自律学校ごとに安全対策をまとめつつあります。これは、教育委員会と相互に連携の上、子供安全対策の基本となるべき学校安心カルテの作成ということでございます。現在、カルテ対象623校の基礎的データがまとまりつつありますので、3月中に警察本部員と警察署員がすべての学校を訪問いたしまして、カルテに基づきまして、協議体の構築、安全マップの作成、防犯教室の開催、防犯機器の整備などにつきましてソフト、ハード両面から問題点を抽出して、解決策を見出す作業を行っております。  今後、子供安全対策を県警察の最重点課題としまして、学校安心カルテに基づきまして、継続的な検証と改善、自治体や関係する皆さんの御理解と御協力をいただきながら、すべての皆さんと連携しつつ体制を進めてまいります。そして、県民の皆さんに良好な治安を実感できる社会基盤づくりのために、地域社会と手を携えて、少年、高齢者、女性などの安全、安心を確保する諸対策を推進してまいります。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)次に、少子化対策と医師の確保について伺います。  県内で2004年に生まれた赤ちゃん1万9,323人のうち、68%が総合病院、そして30%が診療所で生まれました。これは、出産の大半は総合病院を中心とした医療機関が担っていることを示しています。ところが、ここ1年ぐらいで、辰野総合病院、県厚生連安曇総合病院でお産ができなくなり、4月以降は下伊那赤十字病院、豊科赤十字病院でもお産の受け入れをやめる予定であります。診療所でも、お産をやめて婦人科だけにするところが相次いでおり、県内でお産ができる病院、診療所は現各50カ所、この5年で20カ所が受け入れをやめておる状況であります。  飯田、下伊那地方でも、昨年とことし2月末で二つの民間病院が分娩をやめ、さらに4月以降先ほどの下伊那赤十字病院が産科をやめる問題で、南信州広域連合や地元医師会が対応策を話し合う産科問題懇談会が設置され、協議がされておるところでございます。  こうした中、中核病院である飯田市立病院に今以上の負担がかかることにより、産婦人科医師の不足は深刻な状況となっております。こうした医師不足の状況を踏まえ、全国平均を下回る長野県の医師の数を県はどのようにとらえているのか。また、県としての対応策について衛生部長に伺います。       〔衛生部長髙山一郎君登壇〕 ◎衛生部長(髙山一郎 君)お答えいたします。  医師不足、特に産婦人科の医師不足にかかわる御質問です。  平成16年末の本県の人口10万人当たりの医師数は181.8人、全国35位でして、全国平均の201.0人を19.2人下回っています。また、御指摘の産婦人科の医師数は8.0人、これは全国平均と同じです。しかし、10の医療圏ごとに見ますと、最も少ない上小地区で4.8人、木曽で5.0人、佐久で5.5人、飯伊の5.7人と続きます。最も多い松本の12.8人、諏訪の10.4人と2倍以上の開きがあります。また、議員御指摘のとおり、分娩の取り扱いを中止する病院、有床診療所が相次いでおります。この数字以上に産科を取り巻く現状は厳しいものと考えています。  まず、医師不足の問題ですが、絶対数の不足、それから偏った配置、つまり診療科や地域による偏在、この二つに分けて考える必要があります。  まず、絶対数の不足に対しまして、県内に定着する医師を県として積極的に確保する必要がありますので、県内の臨床研修病院と合同で臨床研修説明会に参加します。研修医の確保に努めてまいります。また、生活に密着した診療に従事する家庭医の養成にも着手します。さらに、将来長野県で働く希望を持つ全国の医学生に対する奨学金制度を創設します。地域の医療を地域全体で考える地域医療対策協議会、あるいは医療審議会の議論を尊重し、県として医師確保対策を総合的に進めます。  また、医師の偏った配置、診療科や地域ごとの偏在の解消については、これは、県だけでなく、市町村、関係機関の連携と協力が必要です。施設ごとの都合を主張し合うのではなく、地域、広域としての医師確保、ひいては県としてのあり方を、現状を踏まえ、最良の選択肢を冷静に選択していく必要があると思います。県としては、まず自治医科大学卒業医師の配置方針を新たにし、自治医科大学卒業医師の僻地での診療と将来の定着、またそれを支える地域の病診連携という形をつくります。地域的な医師の偏在を解消するように図ってまいります。  また、産科、産婦人科の問題ですが、県として、もし一人、県下どこにでも赴任してくれる産科医師が確保できたら、現状で最も逼迫しているのは下伊那であるというのが、今の状況を踏まえました前衛生部長の澤田副知事と私の認識ですが、県の飯田の保健所長も委員として参加しましたこの地域での産科問題懇談会という会合の中で、飯田市立病院の体制強化、また地域の病院、診療所の連携の中で一つの解決への方向を示していただいたと思っておりまして、これはありがたく県としても見守りたいと考えております。  また、もう一つ、下伊那の赤十字病院の問題に関しましては、これは下伊那の赤十字病院という一つの病院の問題ではなく、日本赤十字社全体の問題として認識していただきたいという見地から、日本赤十字社本社の医療事務部長や長野県支部の事務局長にも産科の医師の確保を要請しているところです。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)県では、18年度の新しい事業として、長野県医学生就学資金貸与事業、これにつきましては1,200万円、また家庭医養成塾設置事業290万円の事業を出してきておるわけでございますが、これらの事業内容とその実効性について衛生部長に伺いたいと思います。       〔衛生部長髙山一郎君登壇〕 ◎衛生部長(髙山一郎 君)お答えします。  医学生就学資金貸与事業の内容と実効性、また家庭医養成塾設置事業の内容と実効性にかかわる御質問です。  まず、医学生の就学資金貸与事業ですけれども、これは実効性が十分にある事業と考えています。このたび本県が提案しました医学生就学資金は、月々の生活費だけではなく、高額な授業料も貸与できるよう、月々20万円を貸与する内容となっております。さらに、長野県で医師として働きたいという意思のある医学生であれば、全国どこの医学部に在籍していても対象とし、年間5名ずつ新規に貸与をしてまいります。  就学資金と家庭医の養成事業というものは、地域の病診連携のシステムの中で、医師が実体験として地域医療支援を習得し、地域になじみ、自信を持つことにより、地域への定着を図る施策であります。個々の施設の利害得失を超えて、10の医療圏それぞれでの連携と分担のもと、受ける側の立場に立った医療のあるべき姿をつくり上げてまいりたいと考えております。  また、家庭医養成塾設置事業でございます。  これは、北海道の室蘭市にあります日鋼記念病院の関連施設である北海道家庭医療学センターがございます。ここでは、平成9年度、1997年度から、全国に先駆けて、独自に家庭医の養成を行っています。平成13年度、2001年度に2名が研修を終えた後は、研修希望者が徐々に増加していると伺っています。平成14年度、2002年度の研修生は4名、また今年度は8名の研修医を受け入れていると伺っております。  この取り組みをもっと大きく、一つの病院という規模ではなく、県の単位で行っていきたいと考えております。本県の計画では、平成20年度、2008年度から毎年3名の家庭医が県下各地の医療機関で診療に従事することになります。これは実効性のある高い事業であると考えております。また、将来長野県に定着していただくことを前提として家庭医を希望する医師を全国から募集する形になりますので、高い定着率が期待できるものと考えております。  以上です。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)現在の長野県の状況からいたしますと、医師の確保は喫緊の課題でありますので、ぜひとも積極的に取り組んでいただき、成果を上げていただきたい、そう申し添えたいと思います。  次に、知事の政治姿勢について伺います。  平成15年10月6日付で公文書公開請求が行われて、公開請求のあった公文書は本県では作成していないためという理由をもって平成15年10月20日付で不存在決定をされていた県下水道事業に対する知事後援会幹部が行った働きかけに関する文書が、平成17年1月に存在していたことが報道されたことを端緒として、同1月21日以降、長野県情報公開条例に基づき公文書公開請求が行われ、対象公文書の特定を行った結果、複数の公文書が該当するとして2月4日付で公文書公開決定を行い、公文書の公開が行われました。  こうした事実は、県の情報公開制度の根幹を揺るがし、県政の透明性に対する県民の信頼性を損なう大きな問題であることから、県議会としても看過し得ない事態となったわけでございます。  公文書の不存在決定に関する一連の経過についてその真実を明らかにするため、県議会総務警察委員会、商工生活委員会等においても審査が行われました。その経過においても、県下水道公社の流域下水道維持管理業務の入札制度に関し知事後援会幹部が働きかけを行ったことや、知事と審議会委員等の懇談会に参加した県職員の飲食経費や県職員の人事異動にかかわる事務をホテルで行った費用を知事後援会が負担していたことなどについて審議が行われ、そのほかにも、住民基本台帳ネットワークへの侵入実験などの県政運営上不適切と考えられる問題などが審議されました。  しかし、総務委員会の審議において執行部の出席が得られなかった事例もあり、また執行部からの十分な説明が得られないことなどもあり、結果としてこれらの問題の全容を解決するには至りませんでした。  公文書の不存在決定、知事後援会の費用負担、知事後援会幹部の働きかけ等の問題に関しましては、県民世論としても批判的な意見が多く、関心の高い事件であります。  こうした状況下、平成17年7月1日に、44名の議員から、県議会として主権者たる県民に真実の解明と事実の公表を行うことは責務であるとして、地方自治法第100条に基づく調査権を付与し、県下水道事業に対する知事後援会幹部の働き掛け等に関する調査特別委員会が設置されたわけでございます。本委員会は、委員会調査報告書の決定に至るまで計30回の開催をいたしました。また、この間、延べ69人に対する証人尋問、179点に上る記録の請求を行い、慎重かつ精力的に調査を行った結果、多くの事実が明らかになりましたが、一部には、証人の記憶にないなどのあいまいな証言や、請求した記録に対して不存在とされた回答も多かったため、100条調査権をもっても解明に至らなかった点もありました。  そして、調査の結果、県下水道事業に対する知事後援会幹部の働き掛け等に関する調査特別委員会調査報告書は、先日、小林委員長より報告があったとおりでございます。  この報告書につきまして知事に考えを伺いたいと思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)無論、県議会において、法律のもとで100条委員会が開催され、そして報告されたわけですが、私としては、先日のこの議場での討論をお聞きしていて、改めて、北山早苗議員と石坂千穂議員の討論というものに、またその中に今回の100条委員会のあり方というものが尽きているのではないかということを感じました。  小林実議員は、平成15年の働きかけに関する公文書が平成17年1月に一転して存在したことが報道されたことを契機として総務警察委員会等が開かれ、そして100条委員会が開かれたというふうに御説明なさっております。これに対して、北山議員あるいは石坂議員がおっしゃったように、平成15年の10月の8日及び10月の9日というものに関して客観的な事実が100条委員会の審議の過程の中で中盤から出てきたと、このことに関して議論が尽くされていない。そして、今申し上げましたように、平成15年10月の公文書の問題、そしてそれが17年の1月に報道されたことが契機として総務警察委員会を経て100条委員会がつくられたわけです。  すると、これは、私は、最近、韓国でES細胞、胚幹細胞の発明なり実験というものが、その中にまさに事実でないことがあったと、この発明自体がおかしいのではないかという議論になっているわけですね。その中にはさまざまな実験も行われたでありましょう。  しかし、この100条委員会も、そもそもの発端の契機は何かというと、その発端の契機とされたこと自体の事実が大きく揺らいでいるということであります。  この部分に関して議論を尽くし、また判断を行わないまま、100条委員会が終結をして、その報告書がまとめられたということをどのようにとらえるのかということだと思います。10月8日及び9日の部分に関してはこれは北山議員、あるいはそのほかの部分も石坂議員が述べられております。私は、この議場において、北山議員と石坂議員の討論というものの中にこの100条委員会のまさにあり方をも問う部分がきちんと明確に述べられたというところに関しては、大変に心強く、感謝をしているところでございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)今回の100条委員会の設置の端緒は、先ほども申し上げましたように、不存在とされていた公文書が情報公開条例の公開請求によりまして昨年あったことがわかり、公開された。この部分から始まっておるわけでございます。  それでは、この間の調査した件の中で、下水道関係の働きかけに関する文書に関する部分について述べたいと思います。  知事への公文書公開請求の提出についてでありますが、提出を受けた記録文書によれば、県においては、平成15年7月から10月ごろ、文書学事課は公文書を公開請求が行われた際には経営戦略局を通じて公文書公開請求書の写しを田中知事に提出をしております。平成15年10月6日付で知事後援会幹部から県職員への働きかけを記録した文書についての公文書公開請求が行われた際の状況について、関係する証人は以下のとおり証言をしております。  下水道課課長補佐であった松野賢衛証人は、10月6日に情報公開請求があったとき、庶務に連絡があった。まずどういうものがあるか思い浮かべたが、私自身、4月17日に公務中に出席した会議の記録をつくっていたので、それは当然公文書に当たるのではないかという認識であり、当然公開するものという気持ちがあった旨の証言をしております。  下水道課長であった田附保行証人は、文書公開請求があったとき、公開請求の対象となる可能性のある文書は全部で5種類である。4月16日付の文書は両方とも公社でつくったと聞いている旨の証言をしております。  下水道課課長補佐兼下水道係長であった中野守雄証人は、公開請求の対象公文書は業務用ファイルにファイルされていた旨の証言を行っております。  また、公文書公開請求の写しは田中知事に提出をされておりますが、知事である田中康夫証人は、公文書の公開請求があったことについて、他の第三者からの公文書公開請求があったことは存じ上げておる旨の証言を行っております。  経営戦略局参事であった岡部証人は、公文書公開請求の流れについて、文書学事課で受け付けをし、そのコピーが各主管課に届けられる。この場合、4通ほど請求があり、その中の一つが知事後援会幹部の働きかけに関するものであったと思う。窓口で、全般にわたると広過ぎるので、ある程度部局の特定をする。請求書の写しが私のところに送られてきたので、私が1通コピーをとり、それを秘書に渡して知事に届けるということである。その後、情報公開係は、各部の主管課へ公開請求があったということで請求書の写しを持っていくという手順になっていたと思う旨の証言があります。  公開請求があったことを知ったのは、遅くても次の日には公開請求書が私の手元に来たと思う旨の証言を行っております。  同証人から提出された陳述書においても、6日に公開請求が行われた後、正確な日時は覚えていないが、情報公開係から送付されてきた公開請求書の写し2部、うち1部を保管し、1部を知事に提出するため秘書に渡したと記述をしております。  平成15年10月8日の下水道課の状況について、関係する証人は以下のとおり証言をしております。  田附保行証人は、つくったときからこれは個人的なメモだという認識でいた。下水道課の中で私がそういう主張をすることに対してかなり騒然としたのが10月8日だと思う旨を証言し、私の個人ファイルにそのメモがあり、それを出して話をしたという記憶がある。それが公文書になるか私文書であるかという議論になった。私は私的メモだということで主張した。それに対して、課の職員から、それはおかしいということを言われた記憶がある旨の証言をしております。  松野賢衛証人は、どういう文書かあるか洗い出し作業をする中で、多分、課長は公文書という認識は初めからなかったと感じる。課長に対して、課長自身で文書学事課の意見を確認した上で、私も含めて納得しない職員が何人かいたので説明をしてもらいたいとお願いをした。かなり課の中でも激論になり、他の何人かの職員も確かに公文書ではないかということで、課内は一時騒然となった旨の証言をしております。  この後、10月の9日朝7時48分、田附課長から知事にメールが送られています。文書題名は「公文書公開請求について」ということでございます。内容は、いろいろと迷惑をかけています。小林誠一氏との打ち合わせ議事録について全部で3部ありますが、その一部を回覧し始めたところでストップし、それを破棄してあります。この会議録は、回していないので、課長の手持ち資料で公文書には当たらないと主張したけれども、次の2名から反発がありました。流域下水道係中野補佐、公文書の公開請求があっても手持ち資料だと言って出さないのは犯罪だと主張している。公共下水道係臼田主査、議事録を回覧途中であっても公文書に当たるという規定がある。だれが手持ち資料であって公文書に当たらないと判断したのか。課長が判断したとのやりとりを記録し、しかるべき通告すると書かれております。  公文書を公開しないことに対して職員から反発がある旨の報告を、田附課長は知事に報告をしておるわけでございます。  その後、このメールは7時57分に小林誠一後援会幹部と小林公喜氏に転送をされております。  そして、次に、7時59分、田中知事から今度は経営戦略局の宮津職員にメールが、同じものが転送されております。  どう対処しますか。臼田氏の発言も含めて、小林局長と小林誠一氏の個人的なアドレスへは送ってあります。臼田某とはいかなる職員かなということで、反発をしている臼田職員についての問い合わせを知事が経営戦略局へ行っております。  その返事が、8時52分、宮津氏から知事にあります。  宮津です。岡部さんが対応しておりますので追って報告があると思います。  さらに追伸として、8時58分、再びメールが宮津氏から知事にあります。  宮津です。追伸です。下水道課長にしっかり課長としての職責で判断しなさいというのが最も大事なことでしょう。臼田氏は土木課の主査ですが、それ以上の情報は今持ち合わせておりません。  7時48分、最初の田附課長のメールを、今度は田中知事は岡部経営戦略局参事に転送をしております。  その後、岡部証人からの証言によれば、知事等からの指示について、知事室へ呼ばれ、指示を受けた等の証言があります。  1階知事室に呼ばれたとき、知事はパソコンを開いていて、知事が北原秘書に意見を求め、秘書が、出しづらいところが二、三カ所ある、例えばこんな点だというようなところを知事に意見を述べた。それを受けて、知事は私に、では出しづらいところがあるならば公開しない方向で調整をとってくれという指示をした。文書を知事が北原氏に渡して、北原氏はさらさらと内容を見て、知事の命を受けて動いているとか、これは出さないようにしてとか、こんなところを何カ所か指摘して、ここら辺はちょっと出しづらい点ですよね、誤解を受ける点ですよねというようなことで話をしたということであります。  この証言に対して、田中康夫証人は次のように答えております。  7時48分、田附氏からのメールを受け、これを私が7時59分に経営戦略局の岡部氏の部下に当たる宮津氏にメールを転送している。これに対し、8時52分、働きかけ、情報公開請求に対して岡部氏が対応しているので、岡部氏から追って報告があると思いますという宮津氏からのメールが来ている。これは大事な問題である。これに関して岡部氏にも9時28分にメールを転送し、経営戦略局長と小林誠一氏にもこのメールは送っているのは事実である。記憶は確かでないが、岡部氏が情報公開を担当しており、岡部氏は情報公開請求が出た段階でこの該当の部署等と9日以前から話をしていたということであろうと思う。この日の10時55分に岡部氏からメールが来ている。メールを岡部氏に出しており、岡部氏にこの問題をきちんと対応するように伝えているかと思う。岡部氏が担当していたから岡部氏に伝えたということだと思うが、同席していた者がだれかは定かではないということであります。  その後、10時55分に岡部氏から知事にメールがあります。  近況報告 田中康夫様 経営戦略局岡部英則。  牛越監理課長さんへは再度念押しをし、あくまでも下水道課長が課長としての責任で決することで指導するように依頼しました。出さないようには強く念を押しました云々というようなメールでございます。  さらに、岡部氏から、1時31分、同じ日であります、田中知事あてにメールが来ております。 田附課長さんに再度来ていただきました。課長自体がしっかりと方針を出して早急に処理するように指示しました。コピー等は確認して回収し、処分すること。課長の命に従わない部下がいれば、それは課長の責任で対処することが大事であり、課長としての職責を果たすように求めました。今回定めました働きかけに対する取り扱い事項によれば、小林誠一さんは知事の政治団体の役員ということとなり、記録簿に記載する必要が出てきます。それでなくても、今回の公開請求に見られるように、ねらわれていますので、今後、働きかけでの記載が多くの部署に分散すると記載内容の把握及び管理が難しくなることも考えられます云々というようなメールを送っております。  これを、知事は、経営戦略局の宮津職員に6時29分に転送を行っております。  そして、再び6時29分。  破棄はまずいよね。この件、小林誠一さんとも話をして、岡部氏の判断や行動も含めてチェックをしてください。北原氏も把握していますので相談をしてくださいというメールを宮津氏に送っております。  夜になりますが、岡部英則氏から田中知事にメールが来ております。  きのうの夕方とけさ、田附課長さんと話し、内容検討の途中で修正等により差しかえられた、または破棄により不明となった文書は、当該時点以降は公文書ではないとの考えで統一し、説明を行うこととしました。その後、田附さんが、中野補佐、臼田主査両氏に話をしたところ、臼田さんは了解されたとのことですが、中野補佐は、田中知事ならば積極的に情報公開すべきであると考えると思うと述べられ、知事に経過を報告したいとの意向を示しています。田附課長さんへは、知事へのメール等は制限することのないように、しかし、外部へ話していくとの姿勢が見えれば、守秘義務違反に問われることを告知するようにしています。中野さんは課長への反発が強く、その思いも込めて知事へメールを行うかもしれませんが、よろしくお願いをしますというような内容であります。  知事と県の職員の間で、裏でこうしたやりとりがされている経過がよくわかるわけでございます。このメールにつきましても知事は宮津職員に転送をしておるわけでございます。この後、文書の破棄等が行われており、こういうようなことになっていったわけでございます。  関係する証人の証言及び提出された記録文書によりますと、平成15年10月6日付の公文書公開請求についての対象公文書の原本写し等を、当時の経営戦略局参事の指示を受けた下水道課長が殊さらに私的なメモとして破棄したことは明らかであります。  また、当該公文書の内容を見ますと、知事後援会幹部が知事の意向を背景として働きかけを行った事実が記載されていることから、田中知事を初めとした関係者が、公文書と知りながら、当該文書を不存在としなければならないと判断をせざるを得ない内容の文書であったと考えられるものであります。県の幹部職員が公文書公開請求に関して対象公文書を破棄した行為は、県民の知る権利を損なうものであり、県に対する県民の信頼を損ね、情報公開制度の根幹を揺るがした重大な問題であると考えます。  県から記録として提出された電子メールの内容を見れば、田中知事は、平成15年10月9日の下水道課長からのメールにおいて、知事後援会幹部から県職員への働きかけを記録した文書が存在していることを確認しているものと認められることや、同日以降、経営戦略局参事からの公文書破棄などの状況を報告するメールを受信しているにもかかわらず、破棄はまずいよねとのメールを経営戦略局の職員にあてて発信し、経営戦略局参事の判断や行動をチェックするように指示をするのみで、公文書不存在決定を行うことを是認する結果となっています。  田中知事がこれらの重要な事実を知り得た段階で公文書の破棄を中止する等の適切な指示を行っていれば、破棄の実行を防ぐことができたとともに、当該公文書を公開することもできたはずだと考えられます。このことは、県の統括者としての責務を放棄していることであり、県職員が公文書の破棄行為を実行しようとする行為を容認していたと判断せざるを得ません。  同じようなことが、おはなしぱけっと号のデザイン変更に関して、知事の後援会が関与した事件でも証言をされております。  知事の指示により、出納長が当時の教育委員会の課長らに、知事と親交のあるデザイナーのことは口にするなと指示したとの証言があります。その後、担当職員は業者から提出された変更契約書のデザイナー名の記載を削除などして文書の偽造を行いました。  課長らが行った公文書毀棄は刑法258条「公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は三月以上七年以下の懲役に処する。」疑いがあります。職員らが行った私文書偽造は刑法159条「他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者」は、3カ月以上5年以下の懲役に処する疑いがあります。  これら重大な事件としての疑いが生じる件において、毀棄または偽造された文書はどちらも知事後援会幹部による働きかけにより関係者に利益をもたらしたことが疑われる、その経過が判明する内容のものであります。  こういった状況を踏まえ、以前から私は、監査委員会等へ、県として、あるいは第三者機関の監査委員会としても調査をすべきではないかというようなことを提案をしてきておるわけでございますが、監査委員会としてどのようなことでとらえておるのか。伺いたいと思います。       〔監査委員丸山勝司君登壇〕 ◎監査委員(丸山勝司 君)通告もありませんし、監査委員として今これについて述べる意見は持っておりません。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)従来からも、監査委員会には、こういった疑問点に対して、行政監査、監査委員会ではそういった権限を持っておるわけでございますが、一向に調査をしていただけていない、こういう状況だと思います。  それでは、知事は関与を否定しておるわけでありますが、こういった職員の犯罪に対する疑問点につきまして経営戦略局ではどのような調査をしておるのか。伺いたいと思います。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  まさにそういった真実を明らかにするために100条委員会が設置され、これだけの期間を、時間をかけて審議をされてきたと。私はそのように認識しております。
          〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)先ほども申し上げましたように、こういった犯罪と疑われる事実があったことは証言から明らかとなっておるわけでございます。この点につきまして、知事は関与を否定しておるということであれば、当然、当該部署は職員の調査をするのが当たり前であるでしょうし、監査委員会といった機関が、県を常に監査するために設けられておるわけでございますが、そういった視点で100条委員会を批判するのであれば、そういった調査をするのが当たり前、ところが一切何にもしていないわけでありまして、ただ単に100条委員会を批判している、こういった状況でございます。  知事が開かれた県政を標榜する中でのこれが実態であります。県民の皆さん方には、こうした県政の実態を御理解いただき、真に県民のための県政は何なのかともに考えていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○議長(萩原清 君)昼食のため午後1時まで休憩いたします。         午前11時40分休憩          ──────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(佐野功武 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  永井一雄議員。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)福祉医療給付事業補助金制度の見直しについて社会部長に伺います。  今議会に、乳幼児外来診療の補助対象年齢を4歳未満から就学前までの引き上げと、所得制限の廃止が提案され、子育ての親御さんに大変喜ばれております。厳しい県財政にあっても、長野県にとって喫緊の課題である少子化対策への取り組みとして評価されるものです。  さて、本年4月1日から施行されます障害者自立支援法に伴い、精神保健及び精神障害者に関する法律第32条が廃止され、自立支援医療として公費負担の継続は行われますが、通院医療を受ける際に、自己負担金は現在の5%から原則1割に引き上げられます。精神障害者にとっては過重な負担となり、生命線である通院、服薬の受診抑制を招きかねないと不安の声を聞きます。  今日までの県下の状況を見ますと、46市町村にあっては県の制度よりも対象者の拡大や入院までの独自支援策を積極的にとっているところもありますが、今回の法改正に伴って、その支援のあり方に御苦労をいただいておるようです。  よって、この際、県にあっても対象者の拡大等について、福祉医療費給付事業補助金交付要綱の見直しを検討されたい。  また、そのためにも早期に市町村の実態把握と意見聴取を行い、知事の言われる、頑張っているところは応援するという方針も確認すべきと考えますが、御所見を伺います。       〔社会部長田中透君登壇〕 ◎社会部長(田中透 君)お答えいたします。  議員御指摘のとおり、精神障害者の通院、服薬の機会を確保することは大変重要であると考えております。現在、精神障害者に対する福祉医療制度につきましては、精神保健福祉手帳1級該当者のみを対象とし、市町村民税非課税世帯という所得制限を設けております。  精神障害者に対する医療費助成額につきましては、平成16年度実績額で462万円、平成17年度見込み額は581万円、平成18年度予算額は、障害者自立支援法の影響もあり、950万円と見込んでおります。  身体障害者が手帳3級まで、知的障害者は手帳B1までを対象とするのに比べて格差があることにつきましては、関係団体から改善の要望をいただいており、課題として認識しております。  なお、全国では、精神障害者に対する医療費助成事業を実施しているのは長野県を含め9県のみとなっております。  制度の見直しにつきましては、今後、新年度における市町村の状況を把握の上、障害者自立支援法や、現在国会で審議中の医療制度改革による福祉医療費への影響等も踏まえ、市町村とともに見直しの方法等も含め協議しながら進めてまいりたいと考えております。  以上です。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)次に、宅幼老所、コモンズハウスについて社会部長に伺います。  うちのおばあちゃんは、毎朝、デイサービスのお迎えがあると、学校に行くと喜んで出かけています。認知症の皆さんを抱える御家庭では、知事が国に先駆けて積極的に地域ケアの拠点として整備を行ってきました宅幼老所、コモンズハウスのありがたさが身にしみています。今後、さらに在宅重視となる医療や介護の中で、宅幼老所の役割は、地域の中でなじみの顔で助け、集う場として、一層必要なものとなるでしょう。  そこで、お伺いをいたしますが、一つ、宅幼老所の設置は2007年度末400カ所、小学校区に1カ所を目標に取り組まれてきましたが、整備実績と達成状況について。  二つ、施設によっては運営ができずに困っているところもあるとお聞きしますが、その実態と課題について。  三つに、いまだ設置がされていない地域への普及と取り組みについて。  最後に、長野県の目玉であります、幼、子供さんの利用について。利用状況ははかばかしくないと聞きますが、その理由として、宅幼老所としての役割が明確になっていない、受け入れの基準がない、事業所だけのPRでは信頼されないとの声があります。また、宅幼老所と宅養老所との違いが地域の皆さんにわかっていないとも言われています。  幼児や児童の受け入れに当たっては、宅幼老所も経営的な問題で苦しい面もあり、市町村では独自の制度で支援しているようですが、今後、県の施策にも支援があっていいのじゃないかと思います。  以上、4点について、宅幼老所の実態と県の支援についてお尋ねをいたします。       〔社会部長田中透君登壇〕 ◎社会部長(田中透 君)お答えいたします。  まず、整備実績と達成状況についてですけれども、全国に先駆け、平成14年度よりコモンズハウスの整備を進めてまいりした。本年度末での施設設置数は、昨年度末より約50カ所、定員にして482人増加しまして、おおむね300カ所弱、定員にしまして3,034人になるものと見込んでおります。うち、県の補助によるものは136カ所、定員にして1,463名分となっております。  コモンズハウスは、制度にとらわれることなく、小規模で多様なサービスを提供することによって、だれもが住みなれた地域で安心、安全に暮らしていくための地域福祉の拠点です。地域での支え合いによってきめ細かなサービスが受けられる施設としての評判も県内各地で定着し、小規模多機能施設として国が介護保険制度にも取り入れるまでになりました。  今後は、18年度、19年度とそれぞれ50カ所程度のペースで進み、平成19年度末には目標の400カ所を達成したいと考えております。定員では約4,000人、実利用者数では約1万人となり、居宅の要介護者6万人の約17%の皆さんに利用いただけることとなると見込んでおります。  次に、運営の課題につきましてですが、事業を始められる皆さんは地域福祉への貢献という大変熱い思いをお持ちですが、運営面では安定した経営の継続という課題に突き当たります。事業者として経営安定化のためには、利用者の確保、より良質なサービスの提供、スタッフの育成、施設の管理、経営体制の強化等が必要です。県としましても、引き続き、職員研修、アドバイザーの派遣、個別相談等を通じ、運営面の支援を進めてまいります。  次に、いまだ設置されていない地域への普及の取り組みについてです。  今年度末でコモンズハウスの未設置市町村数は3町17村となっております。設置がない町村に対し実態をお聞きしましたところ、宅幼老所のよさは理解しているものの、地域に施設の担い手がいないという声をお聞きしました。そのため、県は、今年度、未設置地域を対象に、県下4カ所でコモンズハウス立ち上げ希望者個別相談会を開催し、担い手の掘り起こしを行いました。この相談会には30組の事業者や個人の参加があり、県が市町村との仲立ちを行ったところ、来年度、宅幼老所の立ち上げにつながりそうな事例も出てきております。来年度以降もこうした相談会を開催していきたいと考えております。  また、既にコモンズハウスを運営している運営力、介護力のあるNPO法人等と地域とのマッチングの場づくりを、市町村の御意見をお聞きしながら、引き続き進めてまいりたいと考えております。  最後に、幼の利用が少ないが、利用の実態と県の支援についてです。  幼児、学童を受け入れているコモンズハウスは、平成16年度末には、250カ所中38カ所、15.2%でありました。御指摘のとおり、お年寄りや障害を持つ皆さんとともに、幼児、児童を受け入れることは、世代の交流が行われ、地域の支え合い、子供の見守りにつながることから、大変重要なコモンズハウスの役割と考えております。  補助事業の採択に当たりまして、その理念を説明し、高齢者のみならず障害者や子育て家庭への育児支援など、地域のニーズに応じ必要なサービスを提供していただくことを強くお願いしており、今年度末には38カ所が55カ所と45%増となる見込みです。幼児、児童利用につきましては、今後も一層の支援を行っていきます。教育委員会と連携し、学校や保護者等にコモンズハウスの役割を紹介してまいります。  また、経営面での課題もありますので、児童クラブへの運営費補助事業や子育てサロン事業の支援費制度のPRを行うとともに、実態に応じた制度の充実を来年度検討していきたいと考えております。  以上でございます。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)教育行政について教育長に伺います。  社会の多様化に伴い、教育現場においては、今まででは考えられなかったような施策と対応が求められております。その御苦労は並大抵のものではないと感謝を申し上げながら、質問に入らさせていただきます。  1点目、自律教育のさらなる充実への取り組みについて。  県は、養護学校の児童生徒が地域の小中学生とともに学べる画期的な教育環境づくりに一歩を踏み出したと言われましたが、私がお話した校長先生は、自律学校・分教室という中途半端なことでなく、各学校に軽度知的障害学級、重度知的障害学級、情緒障害学級の設置が必要だと言われていました。  御承知のように、自律学級の子供たちばかりでなく、他の通常学級においても学習面や行動面において支援を必要とする軽度発達障害の児童生徒が大きく増加しており、現場を熟知する者としてはさきの発言となり、いずこの市町村においてもその支援策や財政面での対応に苦慮をしている状況にあります。  ある市の実態によりますと、この10年間に自律学級への入級者が倍増し、全面的な支援や介護が必要で学級運営が困難な状況にあり、今年度は12名の教員補助の加配を予定し、2,200万円にも上る予算を組んでいます。  県予算においては自律教育地域化推進事業費など1億995万円余となっていますが、市町村への支援、今後のありようについてはどのようにされようとしているのか。御初見を伺います。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  自律教育の充実に関し、市町村への支援と今後のあり方についてのお尋ねでございますが、県教育委員会といたしましては、小中学校における軽度発達障害やその他の障害のある児童生徒に対して、自律教育コーディネーターが中心となって、全校体制での支援を進めているところでございます。このほかにも、障害のある児童生徒支援のための教員の配置、養護教諭の複数配置、自律学級の開設など、一人でも多くの教員配置ができるように努めているところでございます。  さらに、今年度、98校の小中学校に配置しましたこどもほっとサポート推進事業における介助員、支援員につきましては、来年度も県独自の取り組みとして継続してまいります。障害のあるお子さんが安心して学校生活を送られるよう工夫をしながら、1校でも多くの学校に配置できるよう努力してまいりたいと考えております。  また、自律学校においては、本人や保護者の地域で学びたいという願いを受け、いつでも、どこでも、だれでもが学べる教育の実現を目指して、自律教育の地域化を推進しております。  地域化を実現する一つの方策として、18年度は、県内では初めて小諸養護学校小中学部の分教室として佐久穂町にモデル教室を設置し、その地域の障害のある子供たちがみずからの地域で他の児童とともに学び、遊び、暮らせる教育環境づくりを研究してまいります。今春からは、小学部2名、中学部2名が佐久西小学校、佐久中学校の施設をお借りして学ぶことができるようになります。障害のある児童生徒の学びの場が養護学校か小中学校かという選択肢だけでなく、小中学校に設置された分教室で養護学校の専門的な教育を受けられることになります。  この自律教育地域化推進事業の成果や特別支援教育の動向を踏まえ、一人一人のニーズに応じた教育の実現に努めてまいります。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)地域化を推進しているということは、さきの予算説明書の説明においてもわかったところでありますが、今御答弁いただきました分教室、その成果を得られてからということ等を述べられておりますが、具体的に、それでは来年から、あるいはどのようにされていくのか。いま少し、その点、わかりやすく御答弁をいただきたいと思います。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  来年からどのようにしていくのかというお尋ねでございますが、先ほど申し上げました、来年度はモデル教室をつくりまして、実際にどういう学校であるかというものを多くの保護者の方あるいは学校関係の方に見ていただきまして、御理解をいただいて希望の掘り起こしに努めてまいりたいと、このように思っております。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)私の聞き方がまずかったのか知りませんが、私がお聞きしたいのは、そういうモデル教室をつくって来年やる、その上に立って、それでは実施計画あるいは具体的な計画案をつくって逐次市町村にそのようなものを実施していく、こういうようなことが今考えられておるのかどうなのか。そういう方策についてお聞きをしているわけですので、もう一度お願いいたします。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  今、議員のおっしゃるとおりでございまして、モデル教室をつくって、さらにその次の年度というふうにやっていきたいと、このように思っております。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)それでは、次年度、期待をして私どもの地域でも待っておりますので、よろしくお願いをしたい。  2点目に、信州キャリア教育推進プラン事業についてお伺いをします。  ニートや無気力な子供たちをつくらないためにも、子供たちにとって早い段階から働く意欲を育てる環境づくりが必要であると思うし、単なる職場体験でなく、あくまで職業を体験することが必要と考えています。  文部科学省においても、中学校で5日以上連続した職場体験、インターンシップを来年度から取り入れる方針を決めていますが、高校生を含めた長野県の取り組みの実態と今後の予定、職場体験に参加するための保険への支援等についてお尋ねをいたします。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  信州キャリア教育推進プランについてのお尋ねですが、取り組みの状況につきましては、児童生徒が自分の将来への夢や目標に向けて自分の生き方を探す、小中高等学校の系統的なキャリア教育の推進を図っております。小学校におきましては地域産業の体験的学習を、中学校におきましては職場体験を、高等学校におきましてはずく出せ修行という名称での就業体験を実施しております。  今後の予定ですが、小学校におきましては、今年度は53校、13.4%の学校で実施されている職場見学を平成18年度はすべての学校でできるように、親や地域の人の働く姿を見学する日の設定をお願いしてまいります。  中学校におきましては、今年度はすべての学校で職場体験が行われているものの、90%の学校が1日から2日間程度ですので、平成18年度はこれを5日間程度へと拡大してまいります。  高等学校におきましては、平成18年2月末日現在で76校、3,866人が実施した、ずく出せ修行就業体験を平成18年度はすべての高校で実施できるようにするとともに、産業社会と人間を教材として用いて、総合的な学習の時間やホームルームの時間などで職業観を培ってまいりたいと考えております。  なお、職場体験に参加するための保険についてのお尋ねでございますが、学校教育活動として行う場合には独立行政法人日本スポーツ振興センターの学校安全災害共済保障制度で担保され、職場体験を行うに当たっての児童生徒の傷害保険にかかる新たな負担は必要となりません。  高等学校のずく出せ修行就業体験では希望する一部の生徒が就業体験に参加するため、日本スポーツ振興センターの学校安全災害共済保障制度では学校教育活動として認められず、傷害保険と体験先への損害賠償責任保険が必要となり、それを県が負担しております。  小中学校の職場体験では学校教育活動として行いますので、傷害保険部分の新たな負担は不要ですが、体験先への損害賠償責任保険が必要となりますので、それについては市町村教育委員会に働きかけてまいります。  いずれにいたしましても、小中高一貫した学習の課程を作成したり、小中高等学校の児童生徒がともに学び合う場を設定したりして、児童生徒一人一人に望ましい職業観や勤労観をはぐくんでまいりたいと考えております。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)取り組みについては今るるお話いただきましたからわかりましたが、しかし、学校現場において矢継ぎ早にといいますか、いろいろな施策が出される。そのことをただ県教委が学校現場に通達をする、実施を要求する。それだけで本当に現場がうまく取り組めるのかどうなのか。こういう点を私は実は心配するものであります。  そこで、今度の信州キャリア教育推進プランに当たっての取り組みについて、県から、学校現場に、あるいは市町村教委に対してどのような支援策が具体的にとられようとしているのか。その辺についても御答弁をいただきたいと思います。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  私ども教育委員会といたしましては、社会部、あるいは商工部、こういったところと会議を開きまして連携をいたしまして、職場の開拓、発掘、お願いといったものをしてまいりまして実効が上がるように方策を講じてまいりたいと、このように考えております。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)国からもどういう具体的な支援策があるのか私も承知はしておりませんが、ただ、今言われているようなことだけでは学校現場というのは本当に大変になってしまうんではないかなと、こういうふうに私実は懸念をします。その点、十分配慮した取り組みをお願い申し上げます。  3点目に、昨年2月議会で知事から再検討すると答弁を得ております県立歴史館への小学生の見学について、北高南低を是正するための支援、今年度予算ではどのように検討され予算化をされておるのか。お尋ねをいたします。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答え申し上げます。
     県立歴史館の見学について支援のお尋ねでございますが、南信地区の小学校が県庁や県立歴史館などを訪れるのは社会見学として行われる学校行事が中心であります。今年度は、南信地区114校のうち65校、3,501名が長野市近郊を訪れておりますが、このうち歴史館を訪れた小学校は13校766名であります。このように、長野市を訪れても歴史館に立ち寄れない事情は、経費負担が大きいというよりは、主に時間的余裕がないという理由のようであります。  歴史館では、全県校長会の折に館長が出席させていただき、歴史館見学をお願いしているところであり、また、全学校に対しましても、新年度の行事予定策定に向けて、平成18年1月12日付の文書、「県立歴史館の利用について(依頼)」をもって歴史館利用のお願いを申し上げたところであります。  歴史館見学は、県庁など他の施設と一緒の社会見学の一連の中に織り込まれており、その交通費については各自御負担いただいております。  歴史館では、既に、学校からの申し込みに応じて、館長を初め歴史館職員が実際に小学校へ出向き、社会科授業の一環として土器や石器の製作体験を行うなど、出前講座を実施しております。また、南信地区の小学生にも歴史館を身近に感じ、親しんでいただけるよう、地元の博物館等とも連携して、昔の子供たちの遊び道具や教科書など、歴史館収蔵史料を小学生向けに企画した移動展示も検討しております。  以上です。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)次に、長野から発信する地球温暖化対策の推進について知事にお伺いをします。  計画的な県施設への太陽光発電の設置について。  今議会に提案されています長野県地球温暖化対策条例の第22条には、県は積極的に再生可能エネルギーを利用することとしております。条例の精神を実現するためには、今後、施設の改築などにあわせて積極的に設置していくことが必要ではないでしょうか。  現在、県立須坂病院では、SARSを初めとする新種の感染症に対する治療体制の一層の充実を図るため、第1種感染症病床などの整備が行われ、県民の皆さんの注目を集めております。  そこで、このたびの改築を契機に、身近なところから始める地球環境対策として、クリーンエネルギーの象徴である太陽光発電の設置を県立須坂病院に検討されてはいかがかと思いますが、御所見をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの御指摘の点でございます。  昨年の秋の地球温暖化防止長野県職員率先実行計画の中でも、新築、改築する県有施設設備への検討をすることとなっております。既に、諏訪二葉高校や稲荷山養護学校、あるいは平成18年度も5カ所の交番、駐在所で導入予定でございます。既に17年度も行っておりますし、あるいは公園や砂防施設等、現時点で41カ所に17年度末で導入しております。  須坂病院に関しまして、この設計というものはかなりの部分進んでおりますけれども、議員も御存じのように、須坂市民の方々の病院として大変高い評価をいただいておりますし、また、病院周辺を今後須坂市が住民の方と率先して緑化をして、町中にあっても非常に落ちつきのある病院というような、こういう取り組みもしていただいているところでございますので、ぜひ、御指摘の点に関しましては、今からでもこうした対応ができるようにしてまいりたいと私は思っております。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)知事に今対応ということをお聞きしたわけですが、先ほどの教育委員会の答弁でも再検討するということが職場末端へしっかり伝わっていないようなことがどうもあるんではないかと。今、須坂病院についての問題についてはしっかり担当部局へお伝えいただいて、取り組みのほどをお願いしたいと思います。  2点目に、BDF、植物性デイーゼル油の精製事業者への冬期間の応援助成について伺います。  私の地元に、会社を定年退職された技術屋さんを中心とした、地球温暖化防止、エネルギー循環型社会の地域モデル構築に熱意を燃やすNPO須坂エコライフネットワークの皆さんがおいでになります。活動の中心は、廃食用油を利用して軽油の代替燃料、BDFを生産し、市の公用車やごみ収集車、農協の重機等に提供をしています。  ところが、BDFは冬期間に弱い燃料としての弱点があり、車に使用するには流動点改善のため化石燃料を添加しなければなりません。添加は県の承認で可能ですが、県税の対象となり、費用がかさむため、ボランティアで活動している皆さんはその負担に耐えられない状況にあります。  今議会に提案されている知事のアイデア事業であります5億円県民応援減税、加えて、県民の意見募集、日々自律的に努力する皆さんに希望を見出していただくため、社会に前向きな取組みをしている企業や個人に3億円規模の減税、奨励金を援助すると言われております。まさしく報奨すべきものとしてこのNPOはぴったりと合うものではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)大変ありがたい御指摘だというふうに思っております。現在、バイオディーゼル燃料、BDFは、軽油等の鉱物油と混ぜて自動車燃料として使用すると軽油引取税が課税されるという形でございます。減税できる範囲は、トラクターやコンバインなど道路運送以外で使用する場合に限られておりまして、地方税法に限定列挙されているという形でございます。  このため、県独自に税を減免することができないと。これがまさに提案説明の中でも述べましたように、今回私どもが減税という形でなくて奨励金という形で行わざるを得ないという、分権の時代と言われながら分権になっていないという点でございます。  今年度のコモンズ支援金でも、箕輪町や旧美麻村のこうした活動を支援をいたしております。今御指摘のように、総額3億円規模の応援減税、奨励金としてぜひともこれは導入をするべく積極的に今後準備を進めたいと、このように思っております。       〔12番永井一雄君登壇〕 ◆12番(永井一雄 君)今、知事からその対応について御答弁をいただいたわけでありますが、いずれにしろ、多くの長野県民が地域でそれぞれの知恵を持っていろいろな取り組みをしているわけであります。その県民の熱意、意気、そして、これからの夢と希望に力を一層与えてもらえますことを御祈念申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(佐野功武 君)次に、佐藤友昭議員。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)本県では、単に収支の帳じりを合わせることのみではなく、これまでの常識や慣習をよい意味で打ち破り、真に必要な施策に大胆な発想で財源配分を行うとともに、産業の活性化や雇用の創出を図ることにより安定的な財源を確保し、21世紀型の新たな財政システムを構築するとの考え方に基づき、平成15年2月に財政改革推進プログラムを策定し、県民の要望にこたえるべく、限られた財源を必要な施策に重点的に配分し、県民にとって真に豊かな未来を切り開いてきたはずです。  その後、平成16年10月に財政改革推進プログラムの見直しを行い、220万県民の皆様にとってさらに真に豊かな未来を、的確な認識、迅速な行動、明確な責任のもと、切り開いてきたはずですが、この18年度にプログラムの最終年度を迎えるに当たり、その成果と御所見を経営戦略局長にお伺いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えをいたします。  田中知事が就任した平成12年度の本県の財政状況は、県債残高が1兆6,401億円、これは平成18年度当初予算規模の約2倍でございました。起債制限比率も16.4%と全国ワースト2位という状況でございました。平成16年度には財政再建団体への転落も想定される危機的な財政状況にもかかわらず、県民の圧倒的多数には十分な情報開示がなされていない状況でございました。  そこで、平成15年2月、財政改革推進プログラムを策定し、県民の皆様や市町村、県職員など、多くの皆様の御理解と御協力をいただきながら、投資的経費の削減や人件費総額の抑制、徹底した事務事業の見直しなどに取り組んできたところでございます。  この結果、県債残高は全国で唯一4年連続で減少いたしまして、ピークである平成12年度末に比べ547億円も減少しているわけでございます。この間、累積債務を減少させているのは長野県と東京都だけでございます。また、県債発行額と県債償還額との差でありますプライマリーバランス、基礎的財政収支でございますが、これは、平成12年度以降、毎年度償還額が発行額を上回る黒字となるなど、大きな成果を上げることができたものと考えているところでございます。  しかし、三位一体の改革の名のもとに、平成16年度には地方交付税等が突如として12%カットされるなど、国による地方交付税等の削減が続き、本県財政は再び危機的な状況に置かれているわけでございます。この2月に出しました中期財政試算によりますと、平成19年度には基金が枯渇し、55億円の財政赤字が見込まれているところでございます。さらに、平成21年度には469億円の財政赤字が見込まれ、これは225億円の赤字再建団体ラインを突破する、こういう予想をされているところでございます。  平成14年度から平成18年度までの財政改革推進プログラムの推進期間が平成18年度には終了をいたします。国の三位一体の改革の動向を十分注視しながら、危機的財政状況から脱却するための新たなプログラムを策定し、抜本的な財政改革に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)ただいま御答弁をいただきました。よく言われます、県債残高を4年連続して減少させたのは唯一本県のみである。確かにそのとおりでしょうし、当然、その前提として人件費総額の抑制、基金の取り崩し、投資的経費の削減があるわけでございます。私は、広告塔がそうおっしゃるのは、まあ、ありかなとも思います。解説書や取扱説明書のついた商品広告ポスターというものはございませんので、しかし、本県行政の実務を仕切っておられる事務方のトップの方までが同じように口になさるのはいかがなものでしょうか。県民からすれば、いささかのうてんきな御見識かと誤解されはしないかと心配をいたしております。  財政改革推進プログラムにおいて中期財政試算が示されております。当時の試算では、平成18年度の歳入見通し8,987億円、歳出見通し8,976億円、投資的経費1,743億円、うち補助直轄1,148億円、県単471億円と予測されておりました。その後、中期財政試算は見直しが繰り返され、もちろんこの作業自体を否定するものではございません、本年2月時点で、平成18年度歳入合計8,063億円、歳出合計8,290億円と試算され、平成18年度予算編成がなされました。投資的経費1,378億円、うち補助直轄931億円、単独381億円と試算されておりますが、平成15年2月の試算に比べ投資的経費全体で20%強下方修正されております。歳入歳出見通しの修正比率より低目の数字になっております。三位一体の改革を反映して策定された平成16年度地方財政計画により地方交付税等が前年度に比べて大幅に削減されているのは、本県だけではございません。それ以外の理由があるようでしたら、御答弁をお願いいたします。  また、先ほど御答弁をいただきました新たなプログラムの策定時期、いつ公表されるのか。あわせてお伺いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えをいたします。  投資的経費の関係でございますけれども、公共事業費、それから県単事業費につきましては、平成14年度から18年度の先ほど申し上げました財政改革推進プログラムに基づきまして、公共事業から福祉、医療、教育、環境といった県民に身近な分野へと重点化を図る中で、事業費を段階的に削減をしてまいりました。  平成18年度当初予算の編成に当たりましては、地方交付税等がさらに119億円削減されております。このような厳しい財政状況のもとで限られた財源を有効に活用するため、事業効果、それから緊急性等をゼロベースで検証し、事業の選択と集中をさらに進めることとしたわけでございます。この結果、平成18年度の公共事業費は、平成14年度に比べ49.3%の減、それから県単独事業費は53.2%の減となっております。  こういった中でも、森林整備、それから道路の落石防止、それから維持管理、歩道等の交通安全対策など、県政の重要課題や県民生活に直結した事業にめり張りをつけ、重点配分をしているところでございます。  なお、財政改革推進プログラムの新たな策定の時期については、これは平成18年度になって考えてまいりたいと、このように考えているところでございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)ただいま御答弁いただいたわけでございますけれども、なぜここまで減ったのかという部分についてはいまひとつ具体的な御指示がございませんでしたので、繰り返し、その点についてはいま一度御説明願いたいと思います。  続きまして、財政改革推進プログラムの投資的経費、ただいま御指摘がございましたけれども、その削減の項の中で、公共事業費を平成14年度対比で平成15年度マイナス10%、平成16年度マイナス30%、平成17年度以降マイナス40%、県単独事業費は、平成15年度マイナス20%、平成16年度マイナス40%、平成17年度以降マイナス50%とそれぞれ削減をするとし、平成16年の見直しで県単事業費を1年前倒しで削減するとされました。  しかし、平成18年度予算案では、ただいま局長からもお話ございましたとおり、平成14年度対比で公共事業費は40%削減であったものが49.3%、同じく県単独事業費は50%削減であったものが53.2%と、プログラムで示された数字と大きく乖離いたしておりますが、こうした下方修正をするに当たり、県は県民に明確な説明を果たしてこなかったわけでございます。プログラムに明示しておきながら、さらなる見直しをすることもなく、説明責任をおざなりにした理由をお伺いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)3公共3県単事業の削減理由についてでございますけれども、これは財政改革推進プログラムに沿って財政の健全化に努めてきたわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、国の三位一体の改革の影響から、地方交付税等が、平成15年度から16年度にかけては287億円の減、それから平成16年度から17年度にかけましては175億円の減、さらに17年度から18年度、今年度でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり119億円の減と、この間の累計で581億円もの減少をしているところでございます。  また、かつてない少子社会、それから高齢社会の時代を迎え、本格的な人口減社会に突入している本県におきまして、公共事業に過度に依存するのではなく、福祉、医療や教育、それから環境を充実することによりまして県民の皆様が真に安心して暮らすことのできる社会づくりに努めているところでございます。  国におきましても、小泉純一郎首相は、去る平成17年9月の所信表明演説で、小泉内閣発足以来、公共事業を約4割削減するなど歳出改革を断行してきましたと、このように述べているところでございます。  このような中で、平成18年度当初予算の編成に当たりましては、プログラムの想定を上回る厳しい財政状況に対処するとともに、人口減社会を見据えた社会づくりに向け、プログラムの目標を上回る事業見直しや職員の削減などを行う一方、公共事業費や県単独事業について事業の効果や緊急性等をゼロベースで検証することによりましてさらなる削減を行い、財政の健全化に努めたところでございます。まさしく本県は、国に先駆けて、公共事業から福祉、医療や教育、環境へと方向転換を進めてきたところでございます。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)今、御答弁いただく中で、基本的には国の三位一体の改革が第一義であるという御指示だと思います。  先ほど、私、局長にお尋ねしました、財政改革推進プログラムの見直しをされなかった、いわゆるその説明責任を果たしてこなかった理由はいかなるものですかという部分で答弁漏れがございますので、御答弁をお願いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えをいたします。  これは、プログラム以上の削減を実際行ってきておりまして、それはそれぞれの議会ごとの提案説明においても申し上げているところでございますし、また、県のホームページにおいて、佐藤先生も御存じだと思いますが、「長野県の財政改革の成果!」と、こういうような形で今までの長野県の行ってきた財政改革の取り組みについてきちんと県民の方々にもホームページで周知をさせていただいていると、こういうところでございます。  以上です。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)私がお願いしましたのは、やはりこれは県民にきちんと説明すべきであろうということで、なぜ県は県民に明確な説明を果たされなかったんですかということでお尋ねをしたんですけれども、ホームページに出ているからということであれば、それがすべてだと思いますので、これ以上は結構でございます。  それでは、次の質問に移ります。  このたびの組織再編を称しまして、だれがおっしゃったかは存じませんが、また裂きの林務部、八つ裂きの農政部、言い得て妙だなと思うわけでございます。私も、本年、農政林務委員会に所属しておりますが、この委員会のお別れ会もあるんでしょうか。例年なら議会委員と理事者のお別れ会ですが、ことしは理事者同士のお別れ会でもあるのかなとの思いを抱きつつ、県単独事業につきましてお尋ねをいたします。  農政部長の議案説明中に、「地域の農業者と住民が参画する共同活動により、農地や農業用水等の地域資源の適切な保全・管理が確保される体制づくりに努める」「基幹的農業用水路や畑地かんがい施設などの農業生産基盤は、農作物のライフラインとして重要な役割を果たしている」と述べておられる。農政部長として、農業基盤整備の重要性を十分に御認識されておられることと思います。  県では、農業経営の近代化と農業生産性の向上を図るとともに、農村地域の活性化に資するため、小規模な工事、農業用排水、圃場整備、農道整備等を補助してまいりました。県単土地改良事業費は、平成8年度の115億円余をピークに減少し始め、平成14年度には一気に26億円余に削減され、平成17年度当初予算では4億7,800万円余と、先ほどのプログラムで言えば平成14年度対比50%削減どころか81%強の削減になっております。なぜ、こんなに減額されるのでしょうか。県内の農業基盤整備がここ五、六年で完了の域に到達しているとはとても思えません。事実、私自身、水路の維持修繕、ため池の整備等の相談をいただきますが、事業費そのものの予算が少ないとの説明を受け、相談者にその旨御報告させていただいております。土地改良組合など、まさにコモンズそのもののような認識を持つのですが、残念でございます。  そこで、農政部長にお伺いいたします。  事業費がこの10年で4%にまで極端に減額されたのは、農政部が主体的に減額に取り組まれたのか、それとも財政上の理由なのか。わかりやすい説明をお願いいたします。  土地改良事業は農政部を離れていくのかもしれませんが、今後の県単土地改良事業のあり方について御所見があれば、あわせてお伺いいたします。       〔農政部長田山重晴君登壇〕 ◎農政部長(田山重晴 君)お答えいたします。  県単の土地改良事業が減っている理由でございます。ピーク時の平成8年度予算額の84%を占めておりました起債による農道整備事業が平成4年度から始まり、国の制度上、平成19年度までと定められまして、これに向けて事業が逐次完了していっていることが大きな要因であります。また、県単農道を除いた県単土地改良事業のピークは平成5年度の23億4,000万円で、知事が就任した平成12年度には3億5,000万円とピーク時の15%になっております。その後も減少傾向をたどっていますが、平成12年度の予算額に対し平成17年度は43%となっており、減少幅は緩やかになっております。  土地改良事業が開発、整備から維持、保全へとシフトしてきていることや、土地改良区や農家がみずから主体となって維持管理や保全活動を行う機運が育っていることが全体事業費の縮減につながっているところでございます。  また、国庫補助の対象にならない小規模な工事について実施してきた県単土地改良事業は、中山間総合整備事業や採択基準が緩和された国庫補助事業で実施できるように制度が変わってきております。今後とも、農業者、市町村、県の役割分担を進めまして、より効率的に予算を執行してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)ありがとうございました。同様に、県単治山事業についてお伺いいたします。  やはり、林務部長、議案説明中、「平成15年度の県政世論調査によりますと、森林の役割に対して、県民の皆様が大きな期待を寄せるものは、自然災害を防ぐ土砂流出防止、水源のかん養をはじめ、観光資源としての利用、木材やきのこ等の林産物の供給などとなっています。」「昨年末からの豪雪の影響により、融雪時の災害が危惧されておりますので、引き続き監視体制を強化するとともに、被災地への迅速な対応に努めてまいります。」と述べておられます。  県単治山事業は、平成5年度の15億円余をピークに、平成14年度は4億8,000万円弱に減少し、平成17年度当初予算では9,300万円余と、これもプログラムで言えば平成14年度対比、土地改良事業費と同じく80%強の削減になっております。平成5年度に比べれば、わずか6%ほどの予算額になっております。私の地元、下伊那地方事務所管内でも、平成8年度126カ所、2億5,000万円余の事業費があったものが、今年度12月末現在で8カ所、1,100万円余でございます。土地改良事業と異なり、他にかわる事業がないだけに、現在の方向のままで果たしてよいものか、私、大変心配するところでございます。  平成12年、下伊那郡西部地域は集中豪雨に見舞われ、甚大な被害が生じました。村を挙げて森林整備に取り組んでこられた根羽村においてさえ、いっときにあれだけの降雨量ではやはり森林の保水機能だけでは対応できず、至るところの沢筋で土砂崩落が発生いたしました。私、森林土木の専門家ではございませんが、そうした沢筋であっても、大小を問わず、構造物によりしっかり予防治山事業が施されているところは被害を最小限に食いとめられたのも事実でございます。こうした例はなかなか表に出てこないものですが。  そうした意味でも、大きな被害が発生してからの国補の復旧治山事業を実施することを思えば、少ないコストである県単で谷どめ工、山腹工等を計画的に予防治山事業として実施していくことが費用対効果の観点からも肝要ではないかと私は考えます。  治山事業も林務部から離れていくのかもしれませんが、本県は、森林県であっても林業県ではないと。本県林務行政に熱い思いを抱き、日々職務に精励されておられます林務部長に、今後の治山事業のあり方も含め、御所見をお伺いいたします。       〔林務部長高野弌夫君登壇〕 ◎林務部長(高野弌夫 君)お答えいたします。  県単治山事業が減っているのはなぜかとのお尋ねでございますけれども、県単独事業につきましては、厳しい財政状況の中、選択と集中により、県林政の最重点課題でございます森林整備に事業をシフトしているがためでございます。このようなことから、県単治山事業は、国庫補助対象とならない小規模な災害復旧や治山施設の維持修繕を中心とした、より地域に密着した事業を効果的、効率的に実施しているところでございます。  具体的には、災害の復旧、保全対象の重要度、あるいは事業の内容などを考慮いたしまして、平成13年度から17年度の5カ年間に660カ所、事業費で約16億4,000万円余の事業を実施してまいったところでございます。18年度は、引き続き、より効率的、効果的な予算の執行をしてまいりますが、なお、議員から御指摘のございました災害等の復旧に際しましては、緊急治山事業等々有効的に使いまして実施してまいりたいと、かように考えております。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)ぜひ、近い将来において、先ほどの土地改良事業あるいは治山事業等も、いわゆる県土の保全、また県民の安全のために復活をしていただくことを切に願うわけでございます。  次に、移ります。  平成12年、田中県政誕生後、公共事業の見直しに着手され、長野県公共工事入札等適正化委員会、長野県発注技術検討委員会等を設置し、今日まで入札制度改革が進められております。  そこで、まず土木部長にお伺いいたします。  現行の入札制度の課題としてどんな点が指摘されるのでしょうか。また、県は予定価格を公表しておりますが、この価格はどのように算出しているのでしょうか。確認ですが、この積算方法は公表されておられるわけですね。土木部長、お願いいたします。       〔土木部長原悟志君登壇〕
    ◎土木部長(原悟志 君)お答えをいたします。  まず、入札制度の課題ということでございますが、本県の入札制度改革は、透明性、競争性、公正、公平性を確保しまして、談合のしにくい入札とするために、事後審査郵送方式の一般競争入札であります受注希望型競争入札、これを平成15年から試行し、失格基準価格の見直しなどを行い、現在、平成16年度から本格実施となっておるところでございます。受注希望型競争入札を導入以降、一時は60%ぐらいまで落札率が低下しましたが、今年度についてはこれまでのところ81.6%の平均落札率となっております。  このような中、建設業の方々との意見交換会では、失格基準価格のアップの要望、発注単位となるブロックの見直しなどの意見が出されております。  また、平成17年度の県内10ブロックごとの契約動向を見ますと、平均入札参加者数では3.7社から18.4社、また平均落札率では77.8%から89.8%と、地域間で差が出ている状況にあります。これらのことから、県では、以前にも増して、価格のみではなく、品質確保に技術力の発揮できる企業が報われるようにすることが重要と考えております。また、災害の応急工事や除雪など、地域の安全、安心を確保し、きめ細やかな対応ができる建設業の方々、このような方々が活躍できる機会をさらにふやすことが必要と認識をしております。  続きまして、予定価格の算出でございますが、予定価格は標準歩掛かりに個々の単価を入力する形で積算されます。標準歩掛かりと申しますのは、国において実施されている施工実態調査により定められた標準的な施工手間でございます。また、単価は、労務単価と資材単価に分かれております。労務単価は賃金の実態調査に基づくもの、また資材単価は市場取引の実勢価格調査に基づくものでございます。これらを用いて直接工事費を算出し、国において定められております諸経費を加えて工事価格を積算し、これを予定価格としております。  標準歩掛かり及び労務単価や資材単価につきましては県のホームページや行政情報コーナーで公表し、予定価格については開札後公表をしております。  なお、資材単価につきましては、年度当初に設定をいたしますが、市場取引の動向調査を行い、随時見直しを行っております。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)ただいまの答弁にありましたとおり、歩掛かり、労務費、それぞれの材料の単価掛ける数量で、単価のとり方で若干の上下はあるにせよ、発注者側も土木工事のプロでございますし、応札しようとする企業も土木工事のプロですから、ほぼ予定価格はつかむことは可能でございます。  しかしながら、受注希望型競争入札、ここでは建設工事の数値に注目いたしますが、平均落札率は、先ほどのお話のとおり、一時期の60%台は抜け出したものの、平成16年度は70%台、現在やっと80%台に乗っているという状態でございます。  土木部長にお伺いいたします。  県では、平成16年度に建設工事コスト調査を実施し、調査データから調査工事全体の損益額の単純平均値が支出超過になっているとの結果を得ておりますが、その後、この種の調査をされておられるのか。また、もし実施されておられるとすれば、その傾向はどのようになっておられるのか。お伺いいたします。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えをいたします。  コスト調査をどのようにしているかというお尋ねでございますが、これは先ほど議員御指摘のとおり、コスト調査を行いまして、その前段階として低入札価格調査という制度でやっておったんでございますけれども、これを75%から80%という、これは失格基準価格をもとにして定めたわけでございます。  これが、今、議員御指摘のとおり、75%の辺に集中しているではないかという御意見がございますが、現在、落札率につきましては管内別には相当違いがございますけれども、ちなみにちょっと御説明いたしますと、厳しい状況でございますが、一番落札率が低いところは佐久が77.8%でございます。それから、一番落札率の高いところは木曽の89.8%、下伊那におきましては80.1%ということで、これは県内のちょうど平均ぐらいでございます。そのようなことで、現在、価格的には大分安定をしてきているかなというふうに思っております。  しかしながら、価格につきましては、先ほど申しましたように、いろいろと業者さんの方からも意見を聞いております。そういう中では、現在、みずから積算するというような形で、単なる価格の競争ではなくて、技術を発揮して、そこに基づいて積算するような形、そのような入札方法を現在取り入れておりまして、このような結果を踏まえましてまた価格等については注視してまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)平成16年10月に、長野県公共工事入札等適正化委員会が、最終取りまとめ提言において、談合はほぼ排除されたと報告しております。また、残された課題として、ただいま御指摘ございましたが、落札率の大幅な低下が工事品質に影響しないか、ダンピングのおそれはないか、年度当初において需要に見合う発注を確保する必要がある、価格のみの競争に偏り過ぎているのではないか等々の指摘がされております。これらの指摘に対しまして、土木部長、御所見がございましたらお伺いいたします。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えをいたします。  適正化委員会で提言書が出されまして、それに基づいてどのような対応をしてきたかということでございますが、談合につきましては、疑わしい事例と申しますか、グループ的にある数社が組んでやっておるような、そんなような推測がされるような事例も散見されております。やはり談合を根絶しなければならないんですけれども、やはりそれぞれ業者さんの中でそういうような事実が見られるかなというようなおそれがありますので、これに対しましては、今の落札の失格基準価格ですね、従来は5社平均であったものを、すべての業者の入札に対した価格、これを平均しまして失格基準価格にするという、グループ的に活動できるのを抑止しようというそういう取り組みはしてございます。  それから、あと品質の確保につきましては、総合評価落札方式、これはもう既に説明してございますが、そういう取り組みをしてございます。  また、地域の業者さんが入れるような状況、これらにつきましても、やはり貢献度を加味する新客観点数の配点、そういう中でしてございます。  それから、3点(34番佐藤友昭君「年度当初の発注」と呼ぶ)それから、年度当初にはすべての予定をホームページ上に載せて、それぞれ業者さんがその中で計画的に受注計画がつくれるような、そんなような取り組みをしてございます。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)ただいま御答弁をいただきましたけれども、先ほど申しました品質確保の点についていま一度お伺いさせていただきます。  昨年4月、公共工事の品質確保の促進に関する法律が施行されました。公共工事の品質管理が、良質な社会資本の整備を通じて豊かな国民生活の実現及びその安全の確保、現在及び将来の世代にわたる国民の利益であることにかんがみ、公共工事の品質確保に関し国等の責務を明らかにすることなどを目的とし、その基本理念として、国及び地方公共団体並びに公共工事の発注者及び受注者がそれぞれの役割を果たすことにより、現在及び将来の国民のために確保されなければならないとし、また、地方公共団体は、その地域の実情を踏まえ、公共工事の品質確保の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有することと規定されております。  まさに素人感覚で恐縮ではございますが、私どもが仮に住宅を新築しようといたしまして、わかりやすい数字で例えば2,000万円くらいの予算で工務店に設計をしてもらったとしましょう。念のため他の工務店にも見積もりを依頼したら、同じ間取りで1,750万円、あるいは1,800万円だとしたら、なぜそんなに価格が違うのか疑問を抱きます。理由を問えば、工法が異なるとか、材料が安価なものであったりとか、内装、設備を落としてあるとか、合理的な理由があるはずです。  そこで、この点についてお尋ねいたします。  県発注の工事の場合、当然、設計が決められての入札にもかかわらず、予定価格に比べ、先ほど来出ておりますけれども、20%も25%も安価なのに、ここ数年この価格が当たり前のようになっております。ごく普通の感覚からすると大変奇異に思えるのですが、県として、その品質確保に責任を持って当然契約をされておられると思うんですけれども、その担保となるもの等ございましたら御指摘を願えればと思います。土木部長、お願いいたします。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えいたします。  品質確保の方策ということでございますが、これは、当然、従来より私ども土木部としまして検査体制については確実にやることで進めておったんですけれども、これに対しまして検査課というもの、部から離れまして竣工検査等をする検査課を設けまして、こういう検査についてはまずは最後のところでしっかりと締めるという形で対応しております。  それと同時に、私どもも、現在、品質といいますか、設計の段階、この段階においてどのようなものをどのようにつくるかというのはすべて公表して、業者さんと契約の段におきましては事前協議、いろいろな質問事項を受け付けております。そういう中で、目的物については相互に情報交換が十分になされておるかと思います。  それに対しまして、価格が、たまたまそういうような形で、20%予定価格よりも低いというようなことがございますが、これはやはり業者さんのそれぞれの経営努力とか、それから資材の納入状況であるとか、そういうような業者さんのそれぞれの能力、状況によってそれが決まるものだというふうに思っております。  今後、また品質確保ということになりますと、現在、私ども、総合評価落札方式を進めておりますけれども、これをもっと機動的にできるようなシステムにするということで、品質確保のための委員会、これを定期的に開けるような委員会をつくりまして、そういうような品質確保について十分に意見を言って、また評価していただく、そんなような形でこの4月から進めてまいりたいというふうに思っております。  また、品質確保につきましては、県のみではなくて、やはり市町村の自治体の方々も一緒になっていかなければ成果が上がりませんので、市町村の方にも私どもの情報、あるいはそういう能力、こんなようなものは十分に伝えていきたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)ただいまの答弁の中で、業者さんの経営努力等々というお話もございました。先ほど部長答弁にもございましたとおり、本県の中においても地域によって平均落札率が、これは当然ですけれども、かなり上下があるというような現実もございます。  そこで、ちょっとお伺いをするわけなんですけれども、いわゆる本県の建設業就業者数は、長野県、10万人余、また関連する分野も含めれば30万人余とも言われております。知事は、常々、県民の目線で、あるいは県職員はパブリックサーバントであるとおっしゃっておられます。ということは、それぞれの県民の立場もよく理解すべしとの意味かと思われます。とすれば、発注者たる県は、受注者である企業、当然その先には先ほど申し上げた多くの県民の生活があるわけでございますから、その企業の立場も十分理解していることと思います。投資的経費が激減している中、当然のことながら、工事の件数そのものが減少の一途をたどり、低価格入札が続き、現行の入札制度では地元の工事であっても地域に根差した企業が必ずしも受注できるとは限らない。  そこで、土木部長にお伺いいたします。  先ほどのお話のとおり、予定価格もほぼ推定できるという状況で、もし土木部長御自身が応札される側の立場にあったと仮定しましょう。例えば、今年度県発注の工事をまだ一本も実績がない、当然、今回の物件は何としても受注したいという場合、入札額を決めるに当たり、どんな点に御留意されますか。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えいたします。  一本もないのに受注したいと、どうしたらよろしいかという、そういう質問でございますが、それは、やはり私そういう立場でございませんので、いろいろ考えられると思いますけれども、ここで私個人の私見を言うのはちょっと差し控えさせていただきたいというふうに思います。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)予測どおりの答弁でした。私、何が言いたいかといいますと、県は発注する人、企業は受注する人ということではなくて、やはり、いわゆる受注側の企業のこと、あるいはまたそういった産業のことを考えた場合に、やはり発注機関としての県はいろんなシミュレーションを描いてもらっていいんじゃないか。ただ単に談合のない公正な入札というだけではなくて、これはもう先ほど最終まとめのところでも指摘がありましたとおり、談合はほぼなくなっているというような状況もございますので、やはりこういったものを多面的に発注機関として考えていただきたいということを素朴に思います。  次の質問に移ります。  県では、平成15年2月、産業活性化・雇用創出プランを策定し、建設産業の構造改革の支援を打ち出し、さらに、同年6月、建設産業構造改革支援プログラムを策定し、技術力、経営基盤強化支援、新分野展開支援、縮小、撤退支援に乗り出されたわけでございますが、特に、新分野に進出し、本業を凌駕するような成功事例がありましたら御紹介をいただきたいと思います。  また、平成15年以降、県内建設業の倒産件数は200件に及ぼうとしておりますが、手おくれにならないよう県の支援により縮小、撤退に成功した事例はございますでしょうか。  本年度、建設産業構造改革支援事業費8,000万円ほど予算計上されておりますが、今後、建設産業の抜本的支援策を実効あるものとしてどのように講じていかれるのか。土木部長の御見解をあわせてお伺いいたします。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えをいたします。  建設産業の今後の方向性等含めてのお尋ねでございますが、建設産業の構造改革支援でございますが、これは、これまでに267社が新分野に進出しまして経営の多角化に取り組んでおります。こうした取り組みによりまして、雇用の面では新規雇用、雇用維持合わせまして約1,400人の効果があらわれております。  成功事例ということでございますが、例えば飯田、下伊那地域におきまして、小木曽建設株式会社さんがリサイクル材を利用した舗装材の開発、これによりまして特殊舗装や路面切削を展開し、順調に推移をしております。また、有料老人ホーム、ショートステイに取り組んでおります株式会社トライネットさんは、昨年の10月に開所しまして、介護つきホーム15室は既に満室で、地元のお年寄りと入居者との交流を図るなど、地域に根差した事業を展開しております。  また、この中で、縮小、撤退の事例はどうかということでございますが、これは、私ども、構造支援幹あるいはコーディネーターがいろいろ企業の方々とお話をしておるんですが、具体的にそのようなお話はなかなか伺うことができません。そのようなお話があれば、私どもの方でも全力を挙げていろんな方策をお示しできるということになっております。  それで、今後どのような分野に私どもは進めるかということですが、このように新分野に進出しました企業の共通した課題は、新分野進出後の販路確保ということであります。そこで、平成18年度はこうした販路の開拓、拡大が軌道に乗るように新たに助成し、支援をしてまいります。  また、建設産業総合支援センターを土木部と商工部が一体となって設置し、県中小企業振興公社などの関係機関との連携を一層強化して建設産業構造改革を積極的に支援をしてまいります。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)確かに、実際、建設産業支援という問題は非常に難しいと思います。いわゆる企業のサイドでも難しいと思いますし、また今のお話じゃないですけれども、やめるにやめられないというような場合もあろうかと思います。  ただいまの土木部長の答弁を踏まえて、さらに経営戦略局長にお尋ねをいたします。  県は、激変緩和措置を講じると言いながら急激に公共事業費を削減し、もう一方で、入札制度改革を含め建設産業の構造改革を積極的に応援しますと言いながらも、現実的には有効な支援策を見出せないでいる現状でございます。  知事が官尊民卑の発想を戒めておられますが、こうした経過を踏まえる中で、県発注工事を受注しようとする企業が合理的な利益を含む額で入札ができ、真っ当な経済活動ができるような入札制度にさらに改善すべきと思えてなりませんが、経営戦略局長の御所見をお伺いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えをいたします。  本県の入札制度改革につきましては、先ほどるる土木部長の方から御答弁をいたしましたけれども、入札制度の一番の前提というものは、やはり透明性、競争性、それから公正、公平性の確保と、これがやはり前提にございます。  一方、地域に根差し、また日々努力をされ、よい仕事をする企業が報われる制度の実現を目指しているところでもございまして、さまざまな取り組みをこの長野県から全国に先駆けて行っているところでございます。  国土交通省、それから公団等での高値落札と対照的に、本県はコストダウンを実現させた点、それから落札率が下がっても品質に影響ないことを実証しました点は、これまでにも、例えば平成17年の7月3日の読売新聞の1面の記事に紹介をされているところでございますし、また平成17年11月18日には日経新聞紙上にも長野県の入札制度改革について紹介され、称賛されているところでございます。また、北側一雄国土交通大臣も、長野県方式の開かれた一般競争入札制度に言及され、大きな評価をされているところでございます。  一方では、よい仕事をする企業が報われる入札制度としまして、先ほど来出ております総合評価落札方式を導入しているところでございます。これは、御存じのとおり、価格と価格以外の技術力や維持や除雪作業の実績などを総合的に評価し、いわゆる地域要件、それから社会貢献度を評価いたしまして、よりすぐれた企業と契約する制度でございます。  昨年1月からの1年間で97件開札しているわけでございますが、価格以外の要素で評価されたことにより、最低価格者以外が落札した件数は30件ございまして、これは約30%に達しているところでございます。来年度はさらにこの制度を充実してまいりまして、発注件数の増加を図ってまいります。  入札制度にはこれでよしというゴールはございません。ぜひ先生からもよい制度となるための具体的な提言をいただきまして、今後の公共工事入札等検討委員会での検討にも反映させていきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いをしたいところでございます。  また、建設業への支援策としまして、中間前払い金制度の導入というものを昨年の11月15日から導入したところでございます。これは、御存じのとおり、部分払いに比べまして受注者の手間と時間が節約されると。それから、市町村に対しても、昨年の12月に本制度の活用について通知をさせていただくとともに、本年2月10日から県下4地区で市町村の担当者を招きまして説明会を開催しているところでございます。  さらに、建設企業を支援する本庁舎の相談窓口を一本化いたしまして、金融支援等ワンストップサービスにより迅速な解決を図っていると、こういうところでございます。これは建設産業総合支援センターを設置してのことでございます。  以上でございます。       〔34番佐藤友昭君登壇〕 ◆34番(佐藤友昭 君)ありがとうございました。るる御答弁はわかります。ただ、先ほどもお話ございましたけれども、やはり企業側と県側、私、もう少し率直に胸襟を開いて意見交換をする形があってもいいのではないかなと思います。  実は、こんなことを言われる方がいます。現在、本県の発注工事を受注するのは宝くじを当てるようなものだと。私はよく意味がわかりませんけれども、それぐらい非常に不確定な要素で受注されるのかなと思うわけでございます。ぜひ、そんな部分が改正されることを心から願うわけでございます。  本県の建設業においては、経常利益増加率が52.92%、43.76%、それぞれマイナスで引き続き大幅に減少しております。まさに壊滅的な状態であるのかもしれません。先ほどもお話ございましたが、とりわけ大北地域、木曽地域、下伊那地域等においては地域の産業、雇用を支える側面も持っております。周辺町村に行けば、その地域の基幹産業にさえなってしまっております。私の地元でも、先ほど部長からもお話ございました、農業、福祉、そしてまた新たなサービス業へと取り組んでおられる企業がございますが、新分野に進出しようにも新たな投資がなかなかできない企業の方がはるかに多いわけでございます。  県にあっては、入札制度の三つの理念、五つの柱のみではなく、地域の産業構造、雇用問題、地域経済の活性化等々、多面的、複眼的にこの入札制度をさらに検討を加えていただきますよう切にお願いを申し上げまして、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○副議長(佐野功武 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時38分休憩          ──────────────────         午後2時56分開議 ○議長(萩原清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  鈴木清議員。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)持ち時間がありませんから、単刀直入にお伺いいたします。したがって、直截な答弁を求めます。  知事の事務部局に関しましては、設置する部局とその部局が所管する事務に関して、知事の事務部局の組織に関する条例で規定しておりますのは御案内のとおりでありますが、知事も、昨年9月定例会で、部局の見直しに関する知事の事務部局の組織に関する条例の一部を改正する条例案を提案し、本定例会の冒頭で撤回したものであります。知事の提案説明によりますと、現行の条例に基づき、可能な限りの組織改正を行うこととしたとのことでありますが、知事の事務部局の組織に関する条例に関しては、部の名称を変えること、部を新たに設置することに関しては条例の改正が必要となり、部局がつかさどる事務はこの条例に規定された事項以外は行うことができないという解釈でよろしいか。経営戦略局長にまずお伺いをいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えをいたします。  これまで代表質問等で繰り返しお答えをしてきたところでございますけれども、今回行います組織改正というものは、地方自治法第158条の規定によって認められた部の中の局や課の内部組織の改正を組織改正で行うものでございまして、これは条例に違反するものではありません。  以上です。
          〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)今、地方自治法に基づく答弁をいただきましたが、改めて確認をさせていただきます。一般論として、この条例に規定されたつかさどる事務を無視する形で、組織規則の改正で各部局の課、チームの業務を部局間で変更することは条例違反と考えられますが、改めて経営戦略局の御所見をお伺いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  今回の組織再編というものは、現行の条例の解釈内で行う組織再編でございますので、これは何ら条例に違反するものではございません。  以上です。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)どうも換骨奪胎した答弁のような気がいたしますが、次に知事にお伺いいたします。  県の組織規則第3条の6に定められた危機管理室及び企画局は、従来の権限と役割が今回の組織改正で大幅に変わるのかどうなのか。知事にお伺いをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)既に御承知かと思いますが、企画局及び危機管理室は、知事の事務部局の組織に関する条例、また長野県組織規則において、それぞれ総務部、生活環境部の内部の局、室として位置づけられているものでございます。  具体的な、この点はまさに先ほど松林からもお答えしましたように、組織規則で所要の改正を行うところでして、危機管理室を危機管理局、そしてまた企画局には新たにチーム等を幾つか設けることになっておりますが、それぞれこの規定の中における内容に関して行うということでございます。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)そういたしますと、先ほど来、経営戦略局長の答弁ありました地方自治法上の158条に定義された知事の直近下位組織としての役割を担っておるのかどうなのか。危機管理室と企画局は、そういう意味で知事の直近下位組織に位置づけられているのかどうなのか。その辺について知事の御見解をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)たびたび御説明をしておりますが、直近下位の内部組織というのはこれは私どもで言いますと部に関してでございます。今御指摘の企画局及び危機管理室に関しましては、先ほども申し上げましたように総務部及び生活環境部の内部の局、室として位置づけているものでございます。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)事務量が相当量ふえるということは、当然、知事の直近下位組織と位置づけられると私は認識しておりますが、次の質問に入ります。  今回の組織改編案については、チームあるいは課に関することとして、組織規則の改正で対応することとしておりますが、例えば組織に関する条例の第6条においては衛生部がつかさどる事務として「保健衛生に関すること。」と「保健所に関すること。」が規定されておりますが、今回の組織改正案では社会部の国民健康室の業務を衛生部に移管することとなっております。この国民健康室の業務は組織に関する条例の第5条の第何号に該当するのか。まず田中社会部長にお伺いいたします。       〔社会部長田中透君登壇〕 ◎社会部長(田中透 君)お答えいたします。  国民健康保険室の主な業務は、保険給付と疾病予防事業でございます。現在、条例第5条第2号に規定する「社会保障に関すること。」として社会部が所管しております。  高齢化に伴い医療費が増加する中で、その適正化を図るため、保健医療施策や医療保険といった従来の縦割りの枠組みにとらわれず、総合的な取り組みを行う体制が求められております。  さらに、国でも、昨年12月、予防の重視、医療費適正化の推進、後期高齢者医療保険制度の創設等を内容とする医療制度改革大綱が策定され、都道府県に対し横断的に取り組む体制の整備が要請されているところです。  このため、今回の組織改正では、疾病予防という意味での保健事業の側面を重視し、国民健康保険室の業務を同条例第6条第1号の「保健衛生に関すること。」として衛生部に移管することとしました。  なお、他県におきましても、今回の組織条例と同様の考え方で整理されている例があります。埼玉県には福祉部と保健医療部がありますが、国民健康保険を所管する国保医療課は、社会福祉、社会保障を所管する福祉部ではなく、保健医療を所管する保健医療部に配置されているところでございます。  以上です。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)今日までの現状の認識を私はお伺いしたのであって、4月以降の取り組みのもくろみについてお尋ねしたわけではありません。  関連してお伺いいたします。  農政部の土地改良事業に対して再三御質疑がありましたが、生活環境部に土地改良事業の所管が移管されておりますが、土地改良事業が組織に関する条例の第7条の何号に該当するのかについてまず田山農政部長にお伺いいたします。  あわせて、その理由も御説明をお願いしたいと思います。       〔農政部長田山重晴君登壇〕 ◎農政部長(田山重晴 君)お答えいたします。  これまでたびたびお答えしてきたとおり、川上から川下まで地域の循環、共生という大きな視点から土地改良事業の環境的な側面をとらえ、条例第7条に規定する生活環境部の事務のうち第2号の「自然環境の保全に関すること。」に該当するものであります。  理由はというお尋ねでありますが、土地改良事業は、圃場整備が一段落しまして、かんがい排水、水の整備や老朽化したため池の改修など、環境系のものが非常にふえてきているということ。すなわち、農業は水と土と太陽、自然というものに着目した視点から基礎的なインフラを整備し、またその管理をしていくと。  それから、あわせて申し上げれば、土地改良法、昭和24年に制定された法律ですけれども、平成13年に大改正が行われておりまして、その中でも環境との配慮というのは極めて強く強調されているところであります。それを背景としたものであります。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)そういたしますと、農政部長にもう一度確認の意味でお伺いいたしますが、第9条「農政部においては、次の事務をつかさどる。」と。1項から4項までの項目のうちに、何と何の項目を今回役割分担あるいは放棄するのか。その辺について御説明を願います。       〔農政部長田山重晴君登壇〕 ◎農政部長(田山重晴 君)お尋ねは農政部は何を所管するかということでございますが、農業生産の一番振興的な部分、それから農業政策に関する政策的な部分、例えばマーケティングであるとか安全であるとか、そういうたぐいのものはそれぞれ各部局の専門の領域で対応することによって、農政部が、言うならば農政そのものの司令塔的な役割を果たしていく。機能を集中しながらも、さまざまな部門で分散して事に当たっていくというものでございます。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)農政部の所管の事務事業は、「(1) 農業及び水産業に関すること。(2) 食糧の配給に関すること。(3) 農地に関すること。(4) 開拓及び入植に関すること。」。したがって、この四つの項目を離れるということは、明らかにこの事務規則上の条例の改正を伴わなければ、つかさどる部門が他の部局に移行することになります。  したがって、先ほどの経営戦略局長の答弁は、規則の中で改正、条例の範囲内であると言っていましたが、私は明らかに条例違反であるし、条例改正が必要だと思いますが、経営戦略局長のもう一度答弁をお願いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えをいたします。  今、土地改良の話が出ましたけれども、この土地改良というものを環境の循環、共生という側面からとらえまして、「自然環境の保全に関すること。」と、この条例の第7条の第2号の生活環境部の事務、ここに該当すると、このように解釈をして生活環境部の事務に位置づけると、こういうことでございます。  以上です。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)時間がありませんから、委員会でよく条例、それから組織規則の条項について御審議をいただいて、お認めいただけるのかどうなのか精査をお願いしたいと思います。  次の質問に入ります。  組織改編に関連して、知事は、議会冒頭、長野養護学校の長野市への移管を表明いたしました。前日、教育委員会から長野市教委へ打診ということでありますが、県教委としてはいつごろから市への移管について検討されておったのかどうなのか。  2点目として、市教委の対応についての見通しについてどうなのか。  3点目として、当然、児童生徒及び保護者に対する説明、理解は求める努力をされておったのかどうなのか。  その3点について教育長に明確な御答弁を求めるものであります。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  長野養護学校の長野市への移管についてのお尋ねでございますが、長野養護学校の過大化、児童生徒の障害の多様化、重複化につきましては、これまで教育環境を早急に改善しなければならないと考えていたところでございます。  現在、長野養護学校277名の児童生徒のうち、222名、80.1%の児童生徒が長野市在住でございます。この事実を踏まえ、長野市には養護学校児童生徒の教育について相応の協力をしていただきたく、全国の中核都市での実施状況を調査、検討した上で、長野養護学校の長野市への移管につきまして御提案申し上げた次第でございます。今後、事務レベルでの協議を進めてまいりたいと考えております。  また、児童生徒や保護者の方々へは2月22日に長野養護学校長より、知事議案説明の要旨と大規模改修のために長野市とともに長野養護学校のあり方を考えていくものであることなどを御説明いたしました。  2月の21日に長野市へ私ども県教委の職員が行ってお話をしてまいっております。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)総合愛情産業を標榜する本県の福祉施策としては極めて遺憾なことであります。議会冒頭、知事の提案説明の前日に、市教委に義務教育課長と自律教育課長が長野市へ移管の打診に行ったと。これは、当然、先ほど申し上げましたように、児童生徒、保護者を含めて、従前から県教委と市教委とのすり合わせがあって当然であります。知事の冒頭の議案説明の前日ということは、本来、独立、自主性をとうとぶ教育委員会の職の権限をもしかしたら知事の方から侵害されたのではないか、そのような気がしてなりません。  教育長にもう一度お聞きしますが、市教委に打診に行けという内部的な協議はいつごろ行われて、だれが決裁して、どなたが指示したんでしょうか。明確な御答弁を願います。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)事前に長野養護学校へ訪問いたしまして、その学校設備等を見まして内部で検討したものでございます。 ○議長(萩原清 君)教育長に申し上げます。答弁漏れがございますので、いつ行ったのか、その辺のところの答弁をしっかりお願いいたします。 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  2月15日に長野養護学校を視察、見まして、そして、その後、内部で、これはもう早急に改善しなければいけないと、こういうお話し合いをしたところでございます。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)2月15日に見てということなんですが、2月15日に、長野養護学校に県教委の所管の職員、あるいは責任ある次長、教育長が行かれたのかどうなのか。行って改善を図るという言葉は、建物、校舎等の改築に対して検討に入ったということなのか、長野市へ移管ということの検討に入ったことなのか。もっと具体的につまびらかな答弁を求めるものであります。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  長野養護学校の過大化、児童生徒の障害の多様化、重複化につきましては、これまで私どもで教育環境を早急に改善しなければならないと考えておりました。そこで、私ども、長野養護学校の実態を見まして、内部で検討いたしまして、最終的に私のところで決裁をしたわけでございます。 ○議長(萩原清 君)教育長に申し上げます。教育長はその現場へ行ったのかどうかということが落ちておりますので、お願いいたします。 ◎教育長(丸山愰 君)2月15日に私自身が参りまして、2月17日に申し入れの起案をして、21日に持参をして長野市へお願いをしたということでございます。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)2月15日に行かれたということは今の答弁でよくわかりました。15日に行かれて、校舎の改築等の検討に入ったのか、あるいは長野市教委と事前に事務的なレベルで長野市へ移管の、そういう折衝の作業に入られたのかどうのか。  あわせて、当然、主役である児童生徒に対する説明、その保護者の皆さんに対する理解を求める、そのような手続に入られたのかどうなのか。  その辺の2点について先ほど御答弁いただいておりませんですから、もう一度きちんと明確な御答弁を願います。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  現在、中核市、全国37市あるわけでございますが、そのうちの11の中核市において養護学校を設置しております。こういうことから、長野養護学校277名の児童生徒のうち222名、80.1%の児童生徒が長野市在住であるということから、長野市にも一緒に自律学校のあり方、長野養護学校のあり方について考えていただきたいということで検討の申し入れを行ったわけでございます。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)改めて私の方から申し上げたいと思いますが、県教委と市教委との長野市への移管の事前の事務的なレベルの打ち合わせ作業をいつごろから入られたんでしょうかということをお聞きしているんです。  もう1点は、児童生徒、保護者に対する市立に移管という打診、あるいは説明責任、そういう作業にはいつごろから入られたんでしょうかねという、その2点をお聞きしているんです。その2点についてのみとりあえず御答弁を願いたいと思います。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  児童生徒や保護者への説明につきましては、先ほど申し上げたかと思いますが、2月22日に長野養護学校長から各家庭へお手紙を出して、知事議案説明の要旨と大規模改修のために長野市とともに長野養護学校のあり方を考えていくものであることなどを御説明しております。  今後、長野市に対しましては、自律教育や長野養護学校のよりよいあり方についてともに考える協議の場に参加していただくようお願いをしてまいります。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)もう一度確認いたしますが、2月の22日の知事の議会初日冒頭の提案説明を受けて、その要旨を学校長から保護者の皆さんに伝わったという今の説明ですが、それで間違いないですか。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  2月22日に、長野養護学校長より、そのとおり説明をさせていただきました。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)養護学校長が説明なさったということなんですが、これは、県教委として、いつ、具体的な協議を開いて県教委の方針としてお決めになったんでしょうか。教育委員長にお伺いいたします。       〔教育委員会委員長松田泰俊君登壇〕 ◎教育委員会委員長(松田泰俊 君)お答えをいたします。  本会議開会前に、2日ほど前だったと思いますけれども、私のところに、教育長から、長野市の方に移管する話しかけをしていきたいというふうな話がございました。それで、長野養護学校が277名の大規模校であり、早急に長野市の方とこれからのことについて検討していかなければならないというお話でありましたので、私はそのことについて了解いたしました。
     ただし、教育委員会としてそのことについて議論はしてございません。よって、まだこれから委員会が開かれますので、今後どういうふうにしていくのかについては長野市と協議していくようになるというふうに思います。       〔29番鈴木清君「議事進行」と呼ぶ〕 ○議長(萩原清 君)議事進行ですか、登壇してください。       〔29番鈴木清君登壇〕 ◆29番(鈴木清 君)先ほど私が教育長にお尋ねした中で、県教委の事務局レベルと長野市教委との事務局レベルの折衝をいつごろから始まったのかということをお聞きしておりましたが、まだ御答弁いただいておりません。  その辺のすり合わせについてきちんと明確な御答弁を願うと同時に、今、私気になりましたのは、本県の教育行政の根幹を担うのは県の教育委員会のはずであります。それが事務方トップの教育長から逆に教育委員長が打診を受けている。ということは、市に移管するという何か教育委員会の独立性、自主性を侵害するような違う力が働いたんじゃないかというような感じがしてなりません。教育長、もう一度明確な御答弁を願います。 ○議長(萩原清 君)ただいまの鈴木議員の議事進行発言のとおり、丸山教育長は鈴木議員から指摘された部分について明確な答弁を願います。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  私ども、内部で検討したのは2月15日から17日でございまして、そして、17日に文書を起案をして21日に長野市へお持ちしたということでございます。  それから、教育委員会との関係でありますけれども、私ども、この長野市への移管については長野市へ対して打診をしたということでございますので、委員会の決定事項ではないというふうに事務局で考えたわけでございます。 ○議長(萩原清 君)次に、古田芙士議員。       〔56番古田芙士君登壇〕 ◆56番(古田芙士 君)リニア中央新幹線について質問します。  リニア中央新幹線は、21世紀、日本経済社会の新しい未来の中心的な役割と、関東、中部、近畿の各地域圏7,000万人の交流、連携、我が南信を含む中陸部の発展を促進する新たな国土の大動脈として、長期的かつ、広い範囲に経済効果を及ぼす一大国家プロジェクトであります。  昭和45年、全国新幹線鉄道整備法の成立に伴いスタート。昭和48年、中央新幹線が全国新幹線鉄道整備法に基づく基本計画路線に。起点、東京都、終点、大阪府。主な経過地、甲府市付近、名古屋市付近、奈良市付近に決定いたしました。その後、昭和63年10月に超電導磁気浮上式鉄道の実験線が山梨に決まり、昨年、用地買収が完了した42.8キロメートルの路線のうち18.4キロメートルで実用化に向けたあらゆる実験が繰り返され、2005年3月、国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会において、超電導リニアモーターカーは超高速大量輸送システムとして実用化の基盤技術が確立したと判断ができるとの評価を受けられました。  今では、時速も、短い実験線ですが、550キロメートルの最高速度を記録され、試乗者も2005年4月までに約9万人を突破するなど、実用化技術の確立を目指し、1、信頼性、長期耐久性の検証、2、コスト低減技術、3、車両の空力的特性の改善等の技術を柱として、走行試験及び技術開発を推進しています。  全国新幹線鉄道整備法に位置づけられてから、長い長い35年が経過いたしました。私たち飯田を中心とした伊那谷は全国一交通の便の悪い地域で、東京へ出るには、鉄道では飯田線が速度が遅く、本数も少ないため、電車で東京へはほとんど行けません。名古屋へはもっと不便で、列車は通っていますが、時間がかかり過ぎてだれも利用いたしません。東京へは主に高速バスを利用しますが、狭い車内に閉じ込められて何と4時間半もかかり、また、首都高速の慢性的な渋滞や事故、天候不良等、たびたびおくれ、大変です。大事な時間的用事は早い便か前日から出かけなければならない。今も変わらない大変不便な地域であります。  リニア中央新幹線の計画発表には、伊那谷の夜明けが来ると地域を挙げて沸きました。しかし、その後、いつまでたってもルートすら発表されず、加えて、昨今は、巨額の国の借金や人口減少等が加わり、暗いニュースばかりで、もはや我々のこの世では夢を見ただけかとあきらめかけて建設促進運動にも力が入らなくなってきておりましたが、最近、リニアエクスプレス建設促進長野県協議会の要請で、建設促進議員連盟の会長の立場で、国土交通省、東海旅客鉄道株式会社、リニア中央エクスプレス建設促進国会議員連盟の代表者等へ恒例の要請活動をいたしました。  1、ルートはBルートにすること、2、整備計画に早期に格上げすること、3、山梨リニア実験線の走行試験期間を可能な限り短縮すること、4、超電導リニア技術の実用化に向け、より一層のコストの低減、技術開発の推進、5、中央リニア新幹線基本スキーム検討会議について、収支採算性、整備方式、財源方策等、早急に結論が得られるよう努めること、6、大都市圏の大深度地下利用の推進に必要な措置を講ずること、7、新たな国土形成計画の中にリニア中央新幹線の整備を明確に位置づけることなどを陳情し、その折に、今までにない明るい希望の持てそうな新たな動きを感じてきました。  建設促進国会議連の堀内会長やJR東海の総合企画本部中央新幹線計画部長の松野氏からは、今回、実験線車両にビスマス系高温超電導線材を使用した世界最高性能高温超電導コイルの開発に成功した、このコイルは極めてすぐれたコイルで、電流減衰が1日当たり約0.5%で、実質的な永久電流が実現し、一層の信頼性の向上とコスト低減に期待が持てる、営業運転が現実味を帯びてきたのに加え、建設に一番ネックになっていた大都市の用地買収も、大深度地下利用に関する法律の整備のめどがつき、地下40メートルの深さについては補償問題にかかわることなく公共的使用ができるようになる、また、北陸新幹線や他の整備新幹線も、国の財源が厳しい中、大型予算がつけられ、残った区間は乗客が少なく、今後は計画を大きく見直せざるを得ない、次はリニアだ、東京―大阪間をたった1時間で走り、消費エネルギーも飛行機の半分以下、浮上して高速走行のため静かで快適な旅行ができる、沿線周辺も環境や騒音等の住民に与える影響の少ないリニアモーターカーの時代だと、力強く話がありました。  中央リニア新幹線は、21世紀の新しい時代にふさわしい日本が開発した世界に誇る技術の結晶、夢の超特急で、国土基盤の構築に資する国家的プロジェクトとして日本の未来と夢がかかっております。  また、東京、名古屋、大阪の巨大都市エリアは、イギリス、フランス2国分に相当する7,000万人の交流が、今主役の東海道新幹線で1日平均36万人、1年間で1億3,000万人が利用する異常事態になっており、これを緩和する大事な役目もあります。  私も、最近は、静岡市、浜松市ほか、東海道新幹線の「こだま」、「ひかり」級がとまる駅をよく利用しますが、通過する「のぞみ」ほかの列車の数の多さに圧倒され、恐怖すら感ずるくらいで、開業40年、老朽化が進み、事故でもあったら大変なことになるのではないかと心配です。1日300本の列車本数はもはや限界に近いと思いました。  また、それに、東海道新幹線は、予想される東南海地震の防災対策強化地域におよそ300キロメートルにわたって含まれており、もし寸断された場合、日本の社会経済活動に長期的にわたって与える影響は極めて大きいものになるのではないか、危険分散の上からも大変重要です。  リニア新幹線は、日本のチベットと呼ばれる伊那谷にとっては半世紀にわたる悲願で、地域から促進運動を盛り上げる今こそ大事なときになりました。  そこで、知事にお伺いします。  リニアの中心的な役目を担っているJR東海は、今までほかにもないような立派なパンフレットを十数種類つくったり、実験線での9万余人の試乗や、愛知万博にJR東海超電導リニア館への実車展示等、広くPRをしていますが、まだまだです。知事はリニア中央エクスプレス建設促進長野県協議会の会長です。国会議連の堀内会長やJR関係者から、沿線各地からの運動をもっと強力に盛り上げてくれと言われました。リニアに関係の深い中南信のためにも、会長である知事のアイデアや実効性のある促進運動をお聞きします。  また、今後の運動で一番ネックになっている8兆円前後の建設費の財政問題ですが、中央リニア新幹線基本スキーム検討会議で検討され、その内容は従来の新幹線方式や民間資金の導入、道路特定財源の一部を充てる等、議論されていると聞きます。早く実現するための財源方策について知事のお考えをお聞きをします。  また、国への要請中、新たな国土形成計画の中に中央新幹線の整備を位置づける要請をした折、長野県でも明確に位置づけてほしいと話がありました。入れるべきと思いますが、お聞きをいたしまして第1回の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの御質問でございます。  古田議員がお話の間に、議場の皆様から少し笑いが漏れていたと思いますが、私としては、まさに元下伊那の住民としては、あるいはその前から松本で育ち、そして私は非常に飯伊地区をこよなく愛しておりますので、今のお話というものは非常に胸を打つものでありました。無論、この北信に見られますように、新幹線ができて逆に東京に吸い取られるバキューム現象が起きているということもあります。  ただ、下伊那、とりわけ伊那谷の方々は、そうした首都圏あるいは中京圏に、交通の便で言えば必ずしも恵まれていない中で、本県の有効求人倍率1.20となりましたけれども、それを牽引しているのはまさしく南信でありまして、そのことに私は改めて非常に敬意を表したいと思っております。  御存じのように、リニア中央新幹線は、議員も御所属でいらっしゃる自由民主党の金丸信さんがまさにこれを御自身のライフワークのように推進されたわけであります。金丸さんがお亡くなりになられて以降というもの、この中央リニア新幹線が少しくたなざらしになっているような気がいたします。ぜひとも、南信の後藤茂之議員はまさに国土交通省の今重責にあられますし、あるいは宮下一郎議員も宮下創平氏の御子息でもあられますから、こうした方々が、やはり今議員が御指摘になりましたように、東海道新幹線の代替が災害等が起きた場合に逆に北陸新幹線なんだというふうにおっしゃる方もいます。北陸新幹線もさまざまな御意見がある中で、まさに座談の名人と言われます森喜朗氏や、あるいは綿貫民輔氏が自由民主党から排除されてしまいました、残念ながら。こうした方が非常に御努力をなさったわけでして、やはり本県のそうした政権与党の議員の方々がとりわけ御努力いただくということは肝要ではなかろうかと思います。  と同時に、この間、国の構造改革と言っておりますが、まさに我が国のあり方というものをどうするのかということでございます。  私、実は寺島実郎氏とともに、あるいは石原慎太郎氏も述べておりますが、以前から成田の空港と東京駅と羽田の空港を地下リニアを結ぶということこそ、静岡空港やあるいは神戸空港等、あるいは新北九州空港等、さまざまな意見がある中で、むしろこの三つのリニアを結ぶことこそこれは国家プロジェクトだというふうに申してまいりました。その意味では、このリニア中央新幹線というものも、国のあり方というものを政府がきちんと示す中で位置づけるということが大事であろうと思っております。  今、財源というようなお話がございました。私ども、今回も企画局長の太田寛が非常に苦慮しておりますけれども、例えば長野以北延伸する新幹線の白山の車両基地という金額に関しましても非常に巨額の求めを受けております。やはり、こうした中で、このリニアというものはきちんとして、整備新幹線とは異なり、国家プロジェクトとして位置づけるということが大事であろうと思いますし、そのことをきちんと高らかに掲げて国家の歩むべき道を示すことこそがまさに国の首相であり、そうした者の役目だろうと思っております。  アイデアということでございますが、これはそうした国家プロジェクトとして掲げるということが、まさに各地域の方々も、あるいはその沿線地域のみならず、これは東京、名古屋、大阪というものを結ぶルートになっているわけでございますから、まさにそうした中で国民的な関心あるいは協力というものが醸成されるというものではなかろうかと、このように感じております。       〔56番古田芙士君登壇〕 ◆56番(古田芙士 君)時期も来ておりますので、ぜひこれは、沿線地域の中でこの伊那谷、一番リニアに期待をしておりますから、知事はその先頭でこれからしっかりと頑張っていただきたいと思います。  次に進みます。次に、三位一体改革についてお伺いします。  2003年6月に発表された経済財政運営と構造改革に関する基本方針、骨太の方針2003に、地方自治体へ税源を移譲、国庫支出金を削減、地方交付税の配り方を見直す三位一体の改革を推進し、地方が決定すべきことは地方みずからが決定する地方自治の本来の姿の実現に向け、改革の文言が盛り込まれ、三位一体改革がスタートいたしました。  近年、地方自治体の住民に対する行政サービスは年々多様化し、さらに、1990年代、国の何回にもわたった財源を先送りした景気対策で巨額の借金を抱え、何とかしなければならなくなっていたときだけに、地方分権改革の大きな流れと期待いたしました。  小泉首相も、さきの施政演説に、国から地方へ、この方針のもと、地方の意見を真摯に受けとめ、3兆円の税源移譲、地方交付税の見直し、4兆7,000億円の補助金改革を実施すると訴えられました。  三位一体改革ですが、全体に数合わせに終始している感じで、国が本来きちんと責任を負うべき仕事の補助金が削減され、そうでない仕事に対する補助金が残される。ナショナルミニマムのための補助が、生活保護の補助金の削減、義務教育のための補助金等が削られて、その上、地方交付税の大幅な削減も加わり、地方にとっては大問題でした。  各省庁は、小泉首相のトップダウンから、本当に守りたい補助金は削減させず、権限やうまみのない補助金を差し出して三位一体に協力しているふりをしていると指摘されています。  国がすべき仕事は国が責任を持って金を工面し、地方が責任を持って行う仕事は、ひもつき補助金はやめて、財源と権限を地方に移譲すべきです。  田中知事は新党日本の代表であり、地方を変えるには国全体の制度、仕組みを変える必要があると、知事と代表の兼務は到底無理だと思いましたが、地方の思いを国へ反映させると今もって続けられております。全国知事会等で持ち前の論議や主張をされたようですが、地方の代表の声として国に通ずるような成果があったか。お聞きをします。  三位一体改革は分権改革を実現するための手段であり、その目的は、本来、国が最低限の生活水準を保障しながら、地方の自由度を高め、住民の選択と責任のもとで効率的に事業を行える制度を構築する、そのために国の過度な関与をなくすことにあったはずです。が、地方が自由に使えるのはわずか12%にとどまってしまいました。今のままでは、多様化する地方自治体の行政サービスが住民ニーズにこたえることが難しく、巨額な財政赤字に悩む地方財政は救われず、公平性の観点から国が地域格差を是正するどころか、都市部と農村部の差が拡大してしまいます。  また、一方、地方自治を取り巻く社会経済環境は年々厳しさを増している一方、行財政需要は社会経済の変化により複雑多岐にわたるとともに、増大する傾向にあります。自治体は、健全財政を堅持すると同時に、地域経済の活性化や地域産業の振興を推進していかなければなりません。いま一度原点に戻り、三位一体の改革に地方の声を大にして改めるべきは改めて進む必要があると思います。  その1として、国と地方の役割分担の再検討、2、国庫支出金を廃止し、今の交付税の算定方法を廃止してナショナルミニマムを保障する交付金の新設、3、自治体の課税自主権を強化する地方税制の改革、4、自治体間の税収格差を是正するために限定した財政調整制度の新設、5、自治体財政を健全化するために地方債制度の改革が必要であると言われております。三位一体改革第2期に、地方の声としてあらゆる場面で主張すべきと思いますが、第2期実現とあわせ知事の考えをお聞きします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)大変感銘を受けながら聞いておりました。でも、先生、こういう社会を進めたのは先生も所属される自公政権なんですよ。そして、それの後押しをしたのは松下政経塾出身者に代表される民主党なんですよ。  ちょっとある方の文章を読ませていただきます。「しかし小泉内閣となって三位一体とか骨太の改革とか、訳のわかるようでわからぬ掛け声の元に何やらの試みが行われつつあるが、その間に実は仕事の方だけは出来るだけ地方に押しつけてしまおうということで、従来国が地方自治体を使役して機関委任事務として行ってきた多くの仕事を自治事務として、自治体の責任において行えということになった。」「7年前の小渕内閣当時「地方分権一括法」なるものが可決された。徳川幕府崩壊後太政官制度の元に行われた廃藩置県以来、外様内質ともに全く変わらずにきた日本の政治の骨組みを変える歴史的な取り組みというふれこみだったが、ただし「税財源の分与は中、長期の目的」という付記がついている。これは語るに落ちた話で、国会の審議での中期といえばまず早くて5年、長期となれば憲法改正の事例を見ても半世紀かかってもおぼつかないものが多々ある。」。  これは、きのうづけの産経新聞で石原慎太郎氏が連載している「日本よ」という中での「地方分権、民営化の落とし穴」という文章であります。  まさに今回、今御指摘があったように、三位一体の改革というのは中央政府の財政効率のみに配慮するために、まさに国家の内部組織、内部構造であるインターリージョナルなコモンズという、そうしたネットワークというものを破壊してきたと。つまり、地域破壊をしてきたのが三位一体の改革であります。  この点を、実は石原氏は、この中で、例えばそういう専門性を要することのお墨つきというものは従来国家が行ってきたのに、今回、世間を騒がせているマンションの耐震構造であったり、こうしたものもまさに民間に任せよ、地方に任せよとしてきたと。でも、その結果、これは人間性善説に立っていて、資格を与えた者はよもや悪いことをしないであろうというふうに思っていたら、実は資格づけられた性悪な専門家がいるということになっちゃったと。こういう中でさまざまな被害が出て、これは国家の管理責任に帰着するのに、この点に関してだれが責任をとるかということが現在の法体系の中で決まっていないと言っています。  石原さんは、最後に、まさに大型ホテルやマンションの屋上に設置されている大型貯水槽から水を引いているような場所、こうしたことをかつて国会の場でも、貯水槽の中に動物の死骸とかそういうものがあったりして、この衛生というものはどうするんだと。ところが、こうした、今や高層ビルのエスカレーターの検査等も国家が認定資格した専門家に任せていて、ここでも人間性善説に基づいちゃっているけれども、今、テロのようなものが多く起きる中において、この水道のことに関してだって多くの犠牲者が出かねないにも限らず、法の整備というものと専門家への管理のずさんさということが、反省がないまま、自治事務として分与した業務における責任の明確化を含めた特別措置法すら行われていないと言っているんですね。  まさにそれが、中身が空洞な三位一体であろうと私は思っております。この点があればこそ、実は一昨年の新潟の知事会のときにも、私や片山善博氏やあるいは石原慎太郎氏は、災害関連であったり、義務教育であったり、生活保護というものは、これはまさに人間の生命や財産を守る危機管理であって、この部分こそ逆にきちんと国が明確に責任を持っていくということが必要だということを述べてきました。しかしながら、こうした意見は極めて少数意見だったわけです。  私は、その後も、まさにこの議場のみならず、さまざまな場で書き、話し、行動してきておりますが、これに関して残念ながら政権与党は聞く耳持たずなわけでございます。本県からは今政権与党の大臣も出ております。ぜひとも、私も協力しますから、議員も、この議場で私に述べるだけでなく、ましてや政権与党に連なる一員でございます。それらの方々がまず声を出す、隗より始めよを行われてこそ大事なことですし、ましてや県内のメディアもその大臣に対してもきちんと物を申し上げていくということが、本県が中央か地方かなどということじゃございません、まさに地域に生きる者として私はとても大事なことなのではなかろうかとまずは思っております。  でありますからして、道州制というものもまさに形の順列組み合わせになっております。石原氏がまさに国と地域の分担というものを明確にする中でガラガラポンの道州制を議論しなくちゃいけないとおっしゃっているのも、まさにその点にあられるのではないかと私は思っております。  今、御指摘になられましたような御見解というものは、私はそのほとんどをまさに同じ意見を持つところでございますから、ぜひともこの点に関して御一緒に共闘できるようでありたいというふうに思っておりますし、その意味でも建設的な御議論をこの場で重ねていただけることを願うところでございます。       〔56番古田芙士君登壇〕 ◆56番(古田芙士 君)自由民主党は私のような考えを持った人もおるわけでありまして、小泉さんが決めたからそのとおりにするなんていう政党じゃございませんので、私どもも声は大きくしますけれども、三位一体改革が実施されて、地方の皆様方はこんなはずじゃなかった、こういう声が多いんじゃないかと思います。  地方6団体の代表格は、何のかんの言っても全国知事会であります。知事会で、前回と違って賛同する知事は今度は多くなってきておるんじゃないかと思いますので、国政に参加を表明しておる田中知事でありますから、ぜひその知事会の皆さんと共有をして、そして考えを一緒にしてもらって、そして2期分としての大きな声を出して、地方の財政の厳しさ、身をもって体験されておるわけでありますから、ぜひ頑張っていただきたいなと思います。  次に、子育て支援についてお伺いいたします。  2003、2004両年度の合計特殊出生率が1.29と戦後最低を記録するなど、少子化が急速に進行し、年少人口も14%を割って、先進国の中では最低のレベルとなってしまい、このままでは人口減少は加速度的に進み、毎年30余万人規模で減少するペースが予想され、深刻です。今まで、国では20年間にわたり少子化対策を言い続けてきましたが、一向にさしたる効果を上げることなく今日まで来てしまいました。  政府も、このままの状態が続けば、日本の経済成長の鈍化、税や社会保障の負担増、地域経済の活力衰退等が予想され、小手先の対応でなく根本的な転換が必要と、猪口少子化・男女共同参画大臣のもと、総合的対策に着手していくことになりました。  小泉首相も、政策演説に少子化の流れを変える取り組みの決意を述べられ、その内容は、保育所の受け入れ、待機児童ゼロ作戦、児童クラブの整備、児童手当の拡充、育児休業制度の普及及び関連する環境整備等の施策などで、その後、猪口大臣からは、出産の無料化、働く女性が出産後も仕事に復帰しやすい環境や、国の事業への入札参加資格に反映する優遇制度創設等検討されていると話がありましたが、国での子育て支援の財政支援は先進国の中では最下位グループで、社会保障給付費の70.4%は高齢者向け、児童、家族向けは何と3.8%と低く、地方独自の対応も大事ですが、国の対応の方がもっと重要です。  知事は、何人もの議員の質問に、県での新たな取り組みなどを述べられましたが、根本的な解決は国の責任で行うべきと思います。急激な少子化は、社会経済へ混乱を起こすだけでなく、我が国将来への継続の上からも大問題になります。今こそ国の最重要課題と位置づけ、第2次団塊の世代、30歳代の5年間も問題と言われており、早急に対処すべきと思います。国での施策の中で最も早くやらなければならないことについて、また、その実現に向け、田中知事にお聞きをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)実は、提案説明の中で私の処女作に関して述べましたけれども、そのときにシカゴ大学の教授のノーマ・フィールドという人が、昔、ビクトリア朝のころには人口がどんどんどんどんふえて、それに対して食べ物とかインフラが間に合わないということで、トーマス・マルサスという経済学者がそれを何とかしなきゃいけないということを言いました。それに対して、このノーマ・フィールドは私の作品を読んで、逆マルサス状況が日本で急速な勢いでこれから起きていくんだという指摘を受けました。  つまり、インフラとか食べ物は飽食なのに、それを食べたり使う人口自体が急減していくということであります。これは、今後、アジアにおいても同様に起きてくることだろうと思います。  今、御指摘がありましたように、まさにこの点は、ある意味では生命と財産を守るということで言えば、私、先日、以前から存じ上げている猪口邦子さんに、ある意味では猪口さんがなさる少子社会の問題、高齢社会の問題というのは、小泉さんと一緒にすべてのことに関してあなたがよい意味で助言をして一緒に議論していけるような、一ジャンルの特命大臣じゃなくて、これはもう国政全体の副首相みたいなものだということを申し上げたんです。笑っていらっしゃいましたけれども、まさにそのとおりだと思います。  とすると、今議員がおっしゃられたように、一地方で乳幼児の医療制度の施策というものをよりよくしていくということには確かに限界がございます。このことこそ国家が考えることであります。その中で言いますと、私は常に申し上げているんですけれども、やはり実際に出産された後、安心して育てていけるという社会の保障があること、そのために教育であったり、福祉の医療であったりが充実しなきゃいけません。  しかしながら、残念ながら、今、政権与党がしようとしていることは、医療改革といいますけれども、これは単に増大する医療費を抑制するために入院部門の赤字を投薬と検査でより補っていこうということでありまして、入院の支出を抑えることを目指して政策をつくっているわけですから、これはまさに量的な話のことでしかなくて、質的な問題の改善にならないということです。これが三位一体でも道州制でも、すべてにかかわってきている。すると、この少子・高齢な社会というものの中でのこの社会保障費、子育て支援というのも、そうした点から考えなきゃいけないんじゃないかと思っています。  私どもの新党日本でも、以前から、アイルランドあるいはアイスランドという国はこれは欧米諸国の中で唯一人口がふえてきているんですね。小さな国かもしれませんけれども、そこでどういう施策を行っているかということこそ日本はより学んでいかないといけないんじゃないかということを述べております。また、このことは、猪口大臣だけではなくて、文部科学大臣もまさにこの問題に関して積極的にかかわって発言をされ実行されていくということが、オリンピックの跡地利用問題のみならず、とても大事なことだと私は思っております。  先ほど議員も、自由民主党の中には小泉さんのような意見だけではないんだとおっしゃいました。でも、私も、いつも、ここで議論するだけじゃなくて、成果を出してこそ何ぼだというふうに皆さんから常に厳しくおしかりを受けてきています。とするならば、やはり自由民主党にとりわけ、あるいは公明党にとりわけ所属されている方々は、今こそ、まさにここで議論するだけじゃなくて、実際の行動を起こされて、その成果をみずからの手でかち取られてこそ、まさに議院内閣制の首相もそういう方によって支えられているわけですから、私はぜひともそのことに関しては今後もさらに述べていきますが、しかしながら知事会においては相変わらずの恐らくシーリング的な議論になるかと思います。本当に、戦後60年、あるいは明治百数十年を変えるということで、ぜひ御一緒に、議論するだけでなく行動させていただければというふうに思っております。       〔56番古田芙士君登壇〕 ◆56番(古田芙士 君)いずれにしましても、地方分権の時代、地方の時代と言われますけれども、この財政の厳しい折、少子化対策もそうでございますし、財源のことについてもそうでございますけれども、今、国で握っておる部分、こういうものも地方にきちっと配分していただける、こういうことが大事だと思います。  今、国では、ライブドアを中心としたああいう問題で、まさに議員の硬直化、あるいはなれ合いと申しますか、新風をそこへ巻き込む、こういうことが今大事な時期になっておる。そういう面で、新党日本で田中知事、あるいは国の方においてやっぱり新風を巻き起こして頑張っていただくこともこれは大事なことかなと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいなと、こんなふうに思うところであります。  地方財政が厳しい現状の中、今生き残るには国の施策が重要です。地方が頼るその国の財政が巨額の借金で破綻寸前。財務省は、昨春、国債や借入金などの債務残高が6月末時点で795兆8,338億円に上がり、過去最大を更新したと発表されました。これは2005年度の税収見込みの約18倍の規模で、国民1人当たり約631万円の借金を抱え、危機的な財政状況になりました。また、昨年3月末の地方の債務残高は204兆円程度と推測され、国と地方合わせますと借金残高は1,000兆円、1万円札を積み重ねると何と1万キロメートル、北海道から沖縄へ1往復半、気が遠くなるような数字です。  国の財政が破綻寸前というのに、今の官僚や国会議員に余り危機意識が見受けられません。早急に対応していかなければなりません。田中知事は地方財政の厳しさや再建に向けた難しい現実を経験されました。その地方から国を変えると公約の知事です。持ち前の感性と人を引きつける表現力とメディアも活用して、この危機を国政の場の先頭で活躍すべきと思います。  田中知事の5年半、新しい時代の地方の行政のあり方や、職員の意識改革、福祉、医療、教育、環境へのきめ細やかな対応等、一定の評価はありますが、県民の何よりも大事な県民所得が産業構造をスリー・バイ・スリーにシフトして産業振興の成果が上がっていると言われましたが、数字は正直です。効果があらわれません。全国各県では好調な回復傾向にあるのに、全国平均を下回る県民1人当たり272万円と、2002年よりも20万円も下がってしまいました。  また、2006年度の地方税収入は、兵庫県10.6%、広島県10.5%、京都府10.4%、三重県10.3%、大分県10.3%と高い伸びを見込んでいるのに、我が長野県は3.2%と全国平均5.9%を大きく下回り、下位グループとなっております。  産業振興は、申すまでもなく県政の最重要課題です。その景気対策の先頭、指導的立場にある県行政の責任は免れません。  県内人口も大幅な人口減で、昨年1年間でマイナス8,264人、山口村の越県合併の分を除いても6,204人。そのうち、知事がよく言う信州・長野県に住んでみたい県をつくるとは裏腹で、4,317人が長野県から出ていく転出超過となってしまいました。全国での人口減少は1億2,775万6,815人から1万9,000人減だっただけなのに、長野県を国に例えれば1県だけで日本国の3分の1も減ったことになり、重大な問題です。長野県に住めない環境にした田中県政の取り返しのできない失政と言わざるを得ません。知事の過去の5年半の過ちは、多くの議員からの指摘されたとおりだと思います。  最近、県政のあり方で、多くの他県へ出向き学ばせていただきました。どの県でも、戦後60年がたち、行政のあり方が問われ、長野県で今行おうとしている県政改革はほとんど取り組んでおり、時代の趨勢だと思います。今、県政の一番の問題は人の話や意見を聞けない田中知事の独裁的な行政手法にあります。日本式経営は仲間意識の強い農耕民族で、強力なワンマン的なリーダーシップは好みません。トップがワンマンで経営を行うのは旧式で、近代経営は組織の合意で行うものと堺屋太一さんは述べられております。県政は、1人で何十倍行うよりも、県職員が同じ思いで一丸となり、国、市町村の連携で頑張ってこそ成果が上がるものと思います。  田中知事は、回転の速い豊かな表現力とすばらしい感性を持ち、巧みな話術で、ときにはロマンともいえる強力なリーダーシップがあります。地方からの革命、地方をよくするには国を変えると主張される知事。国がよくなれば必ず地方もよくなります。  田中知事、県知事の役目は十二分に果たされました。どうか、信州・長野県へ二足のわらじで出稼ぎに来ているのではなく、私たちに最も重要な国で腰を落ちつけて活躍されることを期待して、質問を終わります。 ○議長(萩原清 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明8日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時10分散会...